2009 Fiscal Year Annual Research Report
植民地期における朝鮮民衆の学習・教育活動と地域社会の実相
Project/Area Number |
20830066
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
金子 満 Kagoshima University, 教育学部, 講師 (10513161)
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Keywords | 植民地朝鮮 / 朝鮮農民による学習・教育活動 / 植民地支配 |
Research Abstract |
本研究では、1920~30年代の植民地朝鮮における「支配と自立の混在領域」及び「同化と抵抗の混在領域」、すなわちアンビバレントな活動についてリアルに描き出すことを命題に「植民地期における朝鮮民衆の学習・教育活動を通した地域社会の実相」を明らかにすることを目的とした。その際、地域社会の実相を朝鮮半島平安北道地域を中心に明らかにする予定であったが、史料不足のため、特定の地域に限定することができなかった。そこで、まず、当時の朝鮮総督府朝鮮集落に関するデータを基に、朝鮮における農村の実相について、明らかにしながら、朝鮮農民の生活の実態について、当時における3大農民団体の一つである朝鮮農民社が出版した『朝鮮農民』(朝鮮語)を中心に、農民の生活の実相について明らかにした。これらのデータを基に、アンビバレントな活動として、朝鮮農民を対象に実施された「夜学」及び「私設講習所」そして「改良書堂」の内実について詳しく分析をした。アンビバレントな活動としては、(1)設立背景の違いによる目的の違い、(2)活動の内実は使用している教材の違い、(3)教育対象の違い等を明らかにした。具体的には、それぞれの施設で使用された教材の内実が、設立背景の違いによって、農村の生産向上、技術革新に特化したもの、分衆衛生など社会事業的側面が強いもの、植民地支配に抵抗するための基礎的力量を育てようとしたものに分類されるが、それらの施設が同時期に同じ地域に存在していた点を明らかにすることによって、地域社会における学習・教育活動のアンビバレントな状態について不足ながらも証明することができた。
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Research Products
(1 results)