2008 Fiscal Year Annual Research Report
冷温帯広葉樹林における食肉目の液果の種子散布特性解明に関する研究
Project/Area Number |
20880012
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
小池 伸介 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 助教 (40514865)
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Keywords | 種子散布 / ツキノワグマ / 食肉目 / 生物間相互作用 |
Research Abstract |
本研究は、日本における冷温帯広葉樹林での食肉目各種の液果の種子散布特性を解明・比較するため、各種の質的な種子散布効率として「種子の散布範囲」と「散布された種子の生存率」の2つの課題の解明に焦点を当て調査を行った。本調査では、ツキノワグマ、テン、タヌキを対象とするが、まずは森林生態系の長距離種子散布者として有望なツキノワグマを優先に実験を行った。 調査1:各種の種子の体内滞留時間の測定と体内通過種子の発芽試験 ツキノワグマ研究所の飼育ツキノワグマ個体(♂2、♀2)を用いて、種子の体内通過実験を行い、通貨種子の発芽試験を行った。その結果、4時間から44時間の体内滞留時間を測定し、体内通過後も種子の発芽能力は著しく減少はしなかった。 調査2:各種の種子散布範囲推定とそのための行動特性(移動距離)の算出・体系的整理 栃木・群馬県足尾山地にて、計10頭のツキノワグマの捕獲を行った。そして、それぞれにactivity sensor付GPS受信機を装着し、放獣を行った。調査終了個体については、GPS受信機を回収し位置情報を分析を実施している。テン、タヌキについては既存の資料の収集に勤め、次年度の実験の準備を行った。 調査3:各種の糞に含まれた種子の行方と糞虫の2次散布者としての可能性 東京農工大学FM草木の冷温帯広葉樹林において、テンとタヌキを対象に予備試験を実施した。予備試験として、植物種2種・動物種ごとに、マーキング種子を含んだ糞を5個ずつ用意し林床に設置した。糞の上部には、自動撮影カメラを設置し糞に集まる動物種の撮影を行い、集まった動物種の確認と糞(種子)の利用(処理)過程の確認を行ったところ、次年度以降の調査のめどが立った。
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Research Products
(5 results)