2008 Fiscal Year Annual Research Report
長期フォローアップへの移行期にある血液・腫瘍疾患をもつ子どもの生活と影響要因
Project/Area Number |
20890040
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
沖 奈津子 Chiba University, 看護学部, 助教 (70513985)
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Keywords | 看護学 / 癌 |
Research Abstract |
本年度は、国内・海外の文献検討、およびフィールド調査を実施した。その結果、長期フォローアップへの移行期にある血液・腫瘍疾患をもつ学童・思春期の子どもは、退院から経過した時間に伴い、疾患や治療、発病によって必要となった行動に対する認識や思い、生活の実態が変化していることが明らかになった。退院後、脱毛していた髪が伸び、体力が回復すると、子どもは「自分はふつう」であると感じ、社会への適応が促進される反面、身体症状がなくなることで長期フォローアップの必要性の理解が困難となる場合があった。また、受診間隔がひらいた時や維持療法終了時は、子どもと親が受診を必要とする期間や、就職、結婚といったことに関心をもちやすく、子どもの人生と疾患を関連付けて考える機会となっていた。発達段階による違いも存在し、思春期では自分が適切であると認識している方法で、学童期では親から促された方法や生活習慣として行動を確立することで、療養行動を日常生活の中に組み込んでいた。さらに、性別や入院中・退院後に受けている治療によっても生活の実態は異なっていた。 以上より、血液・腫瘍疾患をもつ学童・思春期の子どもと親の生活の実態と影響要因は発達段階や退院からの時期、性別、治療内容により異なることが明らかになった。現在、発達段階や退院から経過した時間、性別、治療内容による生活の実態と影響要因の違いに着目した調査を実施している。今後、データを分析することで、具体的な看護援助指針を作成していく。
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