2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイコバクテリアの細胞壁生合成に関わる候補遺伝子の機能解析
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20890114
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福田 剛士 Osaka University, 微生物病研究所, 特任研究員 (00506470)
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Keywords | 結核菌 / マイコバクテリア / 細胞壁 / GPIアンカー型糖脂質 / PIM / LM / LAM |
Research Abstract |
【目的】結核菌の脂質に富む細胞壁によって人の体内で免疫を防御されることが、結核の感染成立する主要因の一つと考えられている。免疫反応を防ぐのに重要な役割を担っている細胞壁構成成分としてGPIアンカー型糖脂質、phosphatidylinositol mannosides(PIM)とlipomannan(LM),lipoarabinomannan(LAM)があり、生合成経路について、その詳細が解明されつつある。しかし、生合成に関わるとされているいくつかの酵素については機能が未解明であり、その究明を行う。 「細胞壁生合成に関わる酵素、MSMEG-4241(Pmh6)の発現低下する変異株の作成」 菌体のPIM/LM/LAMの生合成経路において生存に必須な遺伝子発現を任意に制御することにより、生菌にて直接的に生合成へ影響を与えて未解明な酵素の機能を検証する。成果として、結核菌による免疫回避機構において重要な因子のLM/LAMの生合成に関わる酵素、Pmh6について発現下降制御株の構築を行った。獲得した変異株を用いた生化学的検証により、LM/LAMの生合成が抑制され、LM様産物の生合成が確認された。興味深いことにMiddlebrook 7H9で培養すると、増殖に影響はなかったが、PPLO複合培地では、発現制御された株と野生株を比較すると増殖に差が生じた。現在、培地組成の違いが菌体増殖に影響を与えているのか、あるいは別の要因が関わっているのか検討している。
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Research Products
(3 results)