2022 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of a General History of Religion in the Eastern Mediterranean World at the Jewish reformative period from the viewpoint of Lived Ancient Religion
Project/Area Number |
20H00004
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市川 裕 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 名誉教授 (20223084)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 久男 天理大学, 文学部, 教授 (00234633)
上村 静 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 教授 (00447319)
小堀 馨子 帝京科学大学, 総合教育センター, 准教授 (00755811)
土居 由美 神奈川大学, 国際日本学部, 非常勤講師 (50751038)
勝又 悦子 同志社大学, 神学部, 教授 (60399045)
長谷川 修一 立教大学, 文学部, 教授 (70624609)
葛西 康徳 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 名誉教授 (80114437)
小池 寿子 國學院大學, 文学部, 教授 (80306901)
江添 誠 神奈川大学, 国際日本学部, 非常勤講師 (80610287)
牧野 久実 鎌倉女子大学, 教育学部, 教授 (90212208)
高久 恭子 (中西恭子) 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 研究員 (90626590)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 生きられた古代宗教 / 考古学 / 古代交易都市 / 一神教概念 / 古代ローマ宗教 / 宗教学 / 宗教と法 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.メンバー同士の共通理解を増し切磋琢磨するために、年4回の研究会合を開催し、研究の深まりを実感できた。 7 月24日(日):牧野、勝又、上村、山野。9月25日(日):中西、小池、米倉、葛西。 12月11日(日):小堀、江添、桑原、嶋田。3月26日(日):長谷川、土居、塩野谷、市川であった。この研究発表は、次に予定するリュプケ氏の研究グループとの合同研究会での発表と直結するため、LARを意識した問いと方法への布石となる。 2.年度の最後には、2023年1月から、月一度、J・リュプケ教授が主催する研究会との合同のオンライン研究会合が開始されたことは、本研究の最も大きな成果であると考えている。先方の発表は古典古代社会を主たる研究対象とするため、日本側の研究者には専門分野ではないため新鮮であるとともに、新たな問題関心や見る視点の違いにも気づかされている。西欧人にとっては、ローマ帝国は彼ら自身の古代史でもあることが新鮮な発見である。 3.古代末期の宗教史を、東地中海地域を焦点として考察することの意義は、この地域が一神教の二つの流れの発祥地であり、かつ、ユダヤ人の広がりと、多様なキリスト教徒の誕生が顕著に見られる。ローマ帝国に併合されることで、従来の政治的文化的社会的境界が乗り越えられ、人的物的思想的交流が、新たな人間関係の出現を促進する状況となる。後にこの地域がイスラームの出現と急速な征服の対象となった際、既に生み出された宗教別の共同体体制が、広域支配者にとってもその意義が認識され、啓典の民・庇護民ズインミーとして、宗教別に社会が形成され制度化される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、本科研の最大の目標は、イスラエルにおける発掘調査による、新たな発見を期して、それを基にした新たな視点である「生きられた古代宗教」からの分析を実施することであった。しかし、コロナ禍で大幅な予定変更が生じたのち、コロナ禍の予期しない効果として、オンライン会合が急速に普及して、当初全く予期されなかった可能背が開かれたことは、全くの行幸であった。それが、本生きられた古代宗教の提唱者であるJ・リュプケ氏の研究グループとの共同研究であった。2022年度の活動の中で、まさにその可能性について交渉を進めた結果、最終年度に向けて、1年間の研究会合の計画を取り付けたことは、当初の目標に代わる同等の価値を持つ計画が具体化した。こうして、年度の最後の3か月には、J・リュプケ教授が主催する研究会との月一度の合同のオンライン研究会合が開始されたことは、本研究の最も大きな成果であると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
J・リュプケ教授が主催する研究会との合同のオンライン研究会合が開始されたことは、本研究の最も大きな成果である。あわせて、同氏の著作『パンテオン』の翻訳出版と合わせて、本科研目標の実現のの可能性が高まった。
|