2021 Fiscal Year Annual Research Report
石材構築文化財の保全のための3次元デジタルアーカイブの標準化の研究
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20H00019
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤澤 敦 東北大学, 学術資源研究公開センター, 教授 (00238560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 芳朗 福島大学, 行政政策学類, 教授 (10375347)
金田 明大 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, センター長 (20290934)
田尻 義了 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (50457420)
片岡 太郎 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (80610188)
杉井 健 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (90263178)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 文化財 / 3次元計測 / デジタルアーカイブ / Structure from Motion |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ感染症の状況を配慮しつつ、計測方法の異なるデータを比較検討するための3次元計測を実施した。年度前半は、コロナ感染症によって、遠隔地に出向いた調査が難しかったため、研究代表者の東北大学に保管されている宮城県名取市経の塚古墳出土石棺を対象に、狭い内部をSfM(Structure form Motion)法で計測するための撮影に、魚眼レンズを用いた特殊な撮影方法を試みて、実用化の見込みを得ることができた。年度後半には、前年度の繰り越し事業と併行して、熊本県人吉市大村横穴墓群での計測を実施した。SfM法による計測と、比較的普及している2種類のハンドスキャナによる計測を行い、比較検討のデータを得ることができた。福島県須賀川市前田川大塚古墳の横穴式石室の計測も計画したが、コロナ感染症の再拡大で実施が困難となったため、繰り越し申請を行い、翌年度に計測を実施できた。当石室では、文化財での応用がほとんどされていない赤外線を用いたハンドキャナによる計測と、SfM法による計測を実施し、比較検討のデータを得ることができた。また、SfM法での計測を複数回実施し、経年変化のモニタリングを行う試行を、東北大学構内に所在する仙台城跡二の丸地区の石垣で実施した。 容量が膨大となることが一般的な3Dデータの保管と活用方法の検討のため、サーバーを設置する予定であったが、世界的な半導体不足のため納品ができず、繰り越し申請を行い、翌年度に設置することができた。 研究代表者・分担者・協力者でのオンライン研究会を1回開催し、研究の推進方法などを協議した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染症の影響で出張を伴う調査が難しく、予定していた計測が実施できず、翌年度に一部の事業を繰り越した。翌年度に繰り越し分は実施できたが、データの取得が遅れた分、そのデータを用いた比較検討作業が遅れる結果となっている。また、サーバーの設置が遅れたため、大容量データの活用方法の検討も若干の遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
計測方法の比較検討のための3次元計測は、翌年度以降も実施し、比較検討を進めていく。遺跡の種類による、計測方法の適合性についても、多くの知見が得られてきており、その検討も進めていく。 コロナ感染症の影響で、計測結果の検討作業が遅れており、当年度は研究成果を公表することが難しかった。翌年度以降、計測成果の検討を進め、順次研究成果の発表を行っていく計画である。
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Research Products
(1 results)