2020 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア古代都城と都市網の宗教空間に関する総合的・比較史的研究
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20H00034
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
網 伸也 近畿大学, 文芸学部, 教授 (60708048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 陽浩 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪歴史博物館, 主任学芸員 (10344384)
小嶋 芳孝 金沢大学, 国際文化資源学研究センター, 客員教授 (10410367)
妹尾 達彦 中央大学, 文学部, 教授 (20163074)
鈴木 拓也 近畿大学, 文芸学部, 教授 (30330236)
國下 多美樹 龍谷大学, 文学部, 教授 (30644083)
山中 章 公益財団法人古代学協会, その他部局等, 客員研究員 (40303713)
田中 俊明 公益財団法人古代学協会, その他部局等, 客員研究員 (50183067)
小田 裕樹 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (70416410)
井上 直樹 京都府立大学, 文学部, 准教授 (80381929)
村元 健一 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪歴史博物館, 主任学芸員 (90344382)
鈴木 一議 奈良県立橿原考古学研究所, 調査部調査課, 主任研究員 (90443572)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 第1回共同研究会 / 第1回国際会議 / 飛鳥藤原京域現地調査 / 宗像・壱岐・対馬現地調査 / 宗像・大宰府事前調査 / 北陸地域事前調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、古代における都城および都市と宗教儀礼施設(寺院、祭祀関連遺跡など)の関連性について、近年の考古学的成果や文献史料の探索によって明らかにし、日本・中国・韓国の研究者との国際共同研究を基軸に、宗教空間が都城・都市形成に及ぼした歴史的意義を、東アジア全体で比較研究する。そのために①独自の共同研究と国際会議の開催、②海外都城・都市遺跡の踏査、③国内宮都・都市遺跡・宗教空間遺跡の踏査、④基礎的資料の収集と整理、の4つの方法で継続的に共同研究を行う予定であった。 ①では2020年8月29日と30日の2日にわたり、近畿大学東大阪Eキャンパスにて第1回共同研究会を開催し、国内の研究分担者および研究協力者の研究テーマに関する発表会を行った。また、2021年2月27日と28日の2日間に第1回国際会議をオンラインで開催して、中国の研究協力者4名、韓国の研究協力者2名、日本の共同研究者2名がそれぞれの最新の研究成果を発表し、国際的な視点から東アジア古代都城についての議論を行い、資料集も作成した。 ただ、②および③の海外遺跡の踏査と国内遺跡の踏査については、2020年春より始まった新型コロナウイルスの感染拡大によって2020年度はすべて中止となった。そこで、事故繰越を2021年・2022年と2か年にわたって行い、新型コロナウイルスの感染が収まっている時期を見計らって、2021年7月に飛鳥・藤原地域の現地調査、9月に宗像・壱岐・対馬の共同現地調査を実現させた。また、コロナ感染予防のため、共同研究者が個々人で研究テーマに関する現地調査を行い、研究代表者の網は現地調査と共同研究会の実現のため、宗像・大宰府地域の調査と北陸地域での調査を行い、現地で調査関係者との調整をはかって次年度の共同研究会に備えた。 ④についてはデータベース作成班を編成して、資料収集の方向性を定め、作業を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスのパンデミックとともに開始した研究であるため、予定していた共同研究会や現地調査がことごとく中止に追い込まれ、初年度の活動としてはまったく予定通りに動くことができなかった。とくに、大宰府で開催予定であった第2回共同研究会と、北陸地域で開催予定であった第3回共同研究会は、コロナ第2波のなか現地調査とともに中止にせざるを得ず、次年度に開催することとした。また、海外調査も韓国と中国での都城調査を予定していたが、やはり新型コロナウイルスのパンデミックで実現できず、本来なら中国・韓国の研究者を招聘して行う予定だった国際会議もオンラインでの開催を余儀なくされた。このように研究全体としては後ろ倒しの予定を組まざるをえず、海外調査にいたってはまったくできない状況になってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスのパンデミックによって、研究の遅れが生じているが、国際交流の場としての国際会議はオンライン開催によって良好な関係のもと、調査成果をあげることができる。また、国内調査も個々人のテーマに沿ったかたちで共同研究者が実施しており、着実に研究の遅れを取り戻すことが可能である。とくに、2022年までは新型コロナウイルスの感染拡大の影響を大きく受けていたが、2023年からは新型コロナが第2類から第5類へ引き下げられることもあり、世界的にパンデミックが収束に向かっている。当初の研究計画に沿いながら、東アジア古代都城の宗教空間の解明を進めていく予定である。
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