2023 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive study of political gender bias
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20H00059
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
尾野 嘉邦 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (70598664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石綿 はる美 一橋大学, 大学院法学研究科, 准教授 (10547821)
三輪 洋文 学習院大学, 法学部, 教授 (20780258)
横山 智哉 学習院大学, 法学部, 教授 (20806153)
松林 哲也 大阪大学, 大学院国際公共政策研究科, 教授 (40721949)
粕谷 祐子 慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (50383972)
木村 泰知 小樽商科大学, 商学部, 教授 (50400073)
河村 和徳 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (60306868)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 政治学 / 選挙 / 投票行動 / ジェンダー / 実験 / テキスト分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、9月に全体の研究会を行うとともに、分担者らとの個別のミーティングを重ね、これまで収集したデータの分析結果とそれを踏まえた新たな実験案などについて議論した。データの分析については、有権者及び全国の市議会議員らを対象に行ったサーベイ実験のデータを分析し、議会における女性議員のリーダーシップに対するバイアスの有無について検証した。そこでは、有権者と市議会議員の間で回答に異なる傾向があることが明らかになり、その結果を国内の学会で発表した。また、選挙で各有権者が複数名の候補者に票を投じることができる連記制のもとでは、一人の候補者にしか票を投じることができない単記式にくらべて、女性候補者への投票意欲が上昇するかどうかを検証したサーベイ実験の結果について分析し、実際に連記制の下で有権者は票を投じる候補者の性別をバランスさせようとする傾向があることを明らかにした。その結果について、国内及び海外の学会で発表するとともに、その論文を海外の学術雑誌に投稿した。そして、それらデータ分析の結果を踏まえた実験室実験案について検討を行い、予備的なデータ収集を行った。このほか、当該年度においては、韓国の大学を訪問し、クオータ制度の導入に対する有権者の態度について日本と韓国の両国間を比較するサーベイ実験案について、同国の研究協力者らと協議した。さらに、英国の研究協力者らとともに、テキストデータから発言者のトーンなどを測る辞書を国会審議における議員の発言データの分析に応用し、そこにみられる男女差を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サーベイ実験のデータ分析をはじめ、収集したテキストデータの分析作業など、おおむね順調に進展している。研究分担者らとともに国内で研究会を実施し、分析結果に対する意見交換やそれを踏まえた新たな実験案の検討などを行ったほか、海外の研究協力者と国際比較調査に関する準備も進めることができた。実験室実験のための刺激と計測方法についても検討を重ね、予備的な実験を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、引き続きこれまで収集したデータを分析し、それらの結果を論文化するとともに、海外の研究協力者らとともに国際比較のための調査を海外で行う。収集したテキストデータについても、作成した感情辞書を応用した分析を行い、そこにみられる性差とその影響を検証する。さらに、政治家の選挙戦略における性差についてもデータ分析を進める。このほか、サーベイ実験に加えて、被験者を実験室に集めた実験室実験を実施し、男女の被験者間の違いや、実験刺激の中のジェンダー関連要素が被験者の反応にどう影響を与えるかについて検証する計画である。
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