2020 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative Empirical and Public Policy Study on Civil Society and Urban Governance between Japan and Asia
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20H00064
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
辻中 豊 東海大学, 政治経済学部, 教授 (70145944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 華津子 慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (00344854)
首藤 もと子 筑波大学, 人文社会系(名誉教授), 名誉教授 (10154337)
唐 亮 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (10257743)
山本 英弘 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (20431661)
曽我 謙悟 京都大学, 法学研究科, 教授 (60261947)
森 裕城 同志社大学, 法学部, 教授 (70329936)
タック川崎 レスリー 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (70580497)
崔 宰英 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (80332550)
大西 裕 神戸大学, 法学研究科, 教授 (90254375)
中溝 和弥 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90596793)
青尾 謙 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 講師 (90824128)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 市民社会 / ガバナンス / 都市政治 / 利益集団 / 自治会町内会 / 比較政治 / ソーシャルキャピタル / 社会集団 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍のために、当初予定した都市への事例調査や海外への研究者派遣、招聘が不可能になり、在宅勤務で可能なデータ整備(特に既遂の15カ国8万件の団体等データを都市ガバナンス分析用に再編成する作業等)、コードブック・報告書作成(タイ、中国、日本、台湾、韓国等のweb意識調査、タイ、アメリカ、中国の団体調査、また相互に比較可能な形へ統合したデータ)し、それらに基づく分析を進めた。特に、日本に関しては、比較分析を進め、理論的な検討を総括し公刊した(辻中豊・山本英弘編『現代日本の比較都市ガバナンス・市民社会』木鐸社、2021年1月)。また日本の市民社会とソーシャルキャピタルに関して、基本的なレファレンスとなる研究を発表した(Yutaka TSUJINAKA “Civil Society and Social Capital in Japan,” International Encyclopedia of Civil Society 2nd , Springer Nature, June 2020.これらをもとに各自の関連研究との接合に努めた。データ資料はつくばリポジトリ(筑波大学)等で公開した。 コロナ禍における調査の代替的な方法として日本13都市(盛岡市、宮古市、水戸市、笠間市、つくば市、東京都:杉並区・練馬区、厚木市、新発田市、伊那市、高山市、高松市、延岡市)でインターネットwebモニター調査を実施し、コロナ禍前後での都市ガバナンス・市民意識の変化の分析を開始した。この13都市に関しては、自治体調査、自治会調査、一部社会団体調査を実施済みであり、このweb意識調査と有機的に関連付けて分析中である。また上述した、15カ国団体データを都市ガバナンス分析用に再編成したデータベースを整備し、それを用いた、世界・日本、都市ガバナンス市民社会比較研究の基礎作業を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は次の3つの問いに答えることである。 1:政治体制(社会・経済体制を含む)を所与として、市民社会と地方政府の関係性によって、都市のガバナンスの改善、ひいては市民の公共政策関連のQOLの向上を可能にするメカニズムとそれを成立させる要因は何か。具体的には日本国内の都市において、なぜ、ガバナンス、政府と市民社会の協働や政策満足、信頼になぜ差が生じるのか、その市民社会と地方政府の関係性を規定する要因は何か。 2:アジアなど世界の都市において、ガバナンス、政府と市民社会の協働や政策満足、信頼はどのような状況であるか、またその市民社会と地方政府の関係性を規定する要因は何か。 3:いかにすれば都市ガバナンスを公共政策(政府と市民社会の行う政策、両者の政策協働)を通じて改善できるか。 1に関して、被説明変数である都市ガバナンスの把握を、当初予定した調査に替えて、日本13都市にweb意識調査を行い、また既遂の15カ国8万件のデータの比較可能な形への再編成することによって、行いつつある。都市ガバナンスを市民社会・自治体協働や市民の政策満足などの代理変数によって把握できれば、それを規定する要因を特定することができ、2,3の解答にもつながる。アジアの実態調査もweb意識調査で代替し、そのデータ整備を終えた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度繰り越しで実施した日本13都市のweb意識調査は、既遂の同地域でのweb調査との比較で、コロナ禍の前後の日本の都市ガバナンスに関する市民の意識変化を解明できる。さらに、既遂の4か国有権者調査も、第二次調査実施(令和4年度)したため、コロナ禍前後、および数年間をあけた前後の時期での全国有権者意識の比較も可能であり、それらを踏まえて、市民の意識という側面からのガバナンスの変化を跡付けることができる。 また、この間取り組んできた15か国調査データの、都市単位への組み替えによって、日本および世界で100以上の都市を対象として、社会団体レベルでのガバナンスに関する市民社会の行動や関係性、また意識を把握することが可能になる予定である。 当初の目的である、都市ガバナンス高低の規定要因、また日本、アジアと世界の都市でのガバナンスの状況が、以上の実証的データによって解明することは、それらを改善向上させる公共政策的な提言へとつながることを展望できる。
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Research Products
(25 results)