2022 Fiscal Year Annual Research Report
The Transformation of Governance over the Organization of Peasant Workers in China: The Relationship between the All-China Federation of Trade Unions and Labour NGOs
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20H00065
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
石井 知章 明治大学, 商学部, 専任教授 (90350264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 淳子 中央大学, 文学部, 教授 (40781836)
澤田 ゆかり 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (50313268)
山口 真美 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 新領域研究センター ジェンダー・社会開発研究グループ, 研究員 (60450540)
梶谷 懐 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (70340916)
阿古 智子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80388842)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 政治学 / 労働社会学 / 労働経済学 / 労使関係 / 中国政治 / 比較政治学 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年に引き続き、コロナ禍のために実質的活動の中断が余儀なくされたものの、文献調査・ネット検索調査は、中国の新聞、雑誌などの媒体を通した報道や、各国の大学図書館、研究所などでの最新学術研究論文・文献、関連報道への情報アクセスなどによって順調に継続された。とりわけ、中国をはじめとする世界各国からの最新情報の発掘、中国国内での現地情報の収集、かつそれまでに収集された文献調査による学術研究情報の更新作業などは、研究分担者に各自、分担された領域の研究状況をめぐる実態に即しつつ、進められていったといえる。 たしかに、早期に実現されるべき現地調査も、コロナ禍をめぐる日中間での関連社会政策の条件次第で実施可能性が見込めるかどうか、まったく不明なまま推移するという状況が本年度の前半までは続き、この時点での研究活動の実施をめぐる予測が困難であった。だが、年度後半には状況が改善して、ようやく2022年12月、オンラインにて「ポスト・コロナ時代の中国農民工および労働組合組織化の現状をめぐる国際会議」を開催することができた。言語や政治的理由など、いくつかの制約もあり、研究プロジェクトの共同研究者および協力研究者らにその参加者は限定されたが(非公開)、これまでの研究経過の共有などの点で、きわめて有意義な学術交流となった。なお、同国際会議の開催に先立ち、同年10月に行われた共同研究者や協力研究者らとの「準備会合」においても、研究課題の確認と意見交換を行った上で本会議に臨んだことが功を奏した。これらが前提条件となって、石井知章編著『ポストコロナにおける中国の労働社会』(日本経済評論社、2024年)の出版が可能になったことはいうまでもない。https://www.isc.meiji.ac.jp/~itls/report/2023/01.html
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
きわめて残念なことに、われわれの科研費調査研究プロジェクトの開始時期と、コロナ禍の世界的拡大の時期とが完全に重複してしまったことが、これまでの研究活動の進捗状況を極端に悪化させてしまったといえる。そのことは、日本側で顕著であったことは言うまでもないとしても、特に研究パートナーである中国側でいわゆるゼロコロナ政策という極端な政策が採用されることによって、一切の研究上のやり取りが停止してしまったことが、その大きな原因の一つとして挙げられる。とりわけ、オンラインでの、しかも非公開の国際会議の開催(2022年10月、および12月)に際しても、中国側の研究協力者の一人が当局によって2度も拘束されるという異常事態にまで至り、研究状況は最悪であったといってもけっして言い過ぎではない。とはいえ、何はともあれ、オンライン国際会議の開催がなんとか可能となり、しかもそれが成功裏に終わったことが最終年度での石井知章編著『ポストコロナにおける中国の労働社会』(日本経済評論社、2024年)につながったことは何度も強調されても、強調されすぎることはない。
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Strategy for Future Research Activity |
中国現地でのインタビューや文献などの最新の現地情報が必須であるため、中国国内の研究協力者らと調整し、中国での現地調査を行う予定である。中国現地調査後に収集した資料や情報をもとに、研究分担者等とZOOMによる内部での国際シンポジウムを開催する予定である。文献調査や専門分野に精通した研究者(とりわけ中国人民大学教授である常凱氏をはじめとする、同大学の労働法、労働経済学、労使関係などの分野で、計7名の教員・研究者、さらに本研究プロジェクトの研究協力者である中国労働関係学院副教授である王KAN氏、および同学院の教員・研究者など、計4名)への聞き取りを行う予定である。調査結果については、当該プロジェクトテーマ関連での研究書籍(『ポストコロナにおける中国の労働社会』日本経済評論社)の出版や、国際シンポジウムの形で研究成果を広く社会に公表し、その研究成果を共有することとしている。
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