2021 Fiscal Year Annual Research Report
CEFR-Jに基づくCAN-DOタスク中心の教授と評価に関する総合的研究
Project/Area Number |
20H00095
|
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
根岸 雅史 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (50189362)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
投野 由紀夫 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (10211393)
奥村 学 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (60214079)
高田 智子 清泉女子大学, 文学部, 教授 (20517594)
片桐 徳昭 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (60734829)
中谷 安男 法政大学, 経済学部, 教授 (90290626)
能登原 祥之 同志社大学, 文学部, 教授 (70300613)
長沼 君主 東海大学, 語学教育センター, 教授 (20365836)
石井 康毅 成城大学, 社会イノベーション学部, 教授 (70530103)
工藤 洋路 玉川大学, 文学部, 教授 (60509173)
内田 諭 九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (20589254)
篠崎 隆宏 東京工業大学, 工学院, 准教授 (80447903)
大橋 由紀子 ヤマザキ動物看護大学, 動物看護学部, 准教授 (40589793)
和泉 絵美 京都大学, 国際高等教育院, 特定講師 (80450691)
周 育佳 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (40771944)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | CEFR 授業分析 / CEFR-J パフォーマンステスト / 指導効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度前半は当初の予定では2020年度から先送りになった京都府立東舞鶴高等学校における授業観察と授業データの収集を行う予定であったが、コロナの再度の感染拡大で協力校の制限が解除できず、また交渉をしていた京都府の指導主事が現場に戻るなどの予期せぬ状況があり、もろもろの調整がつかないまま1学期の授業観察を2学期に延期し、教員との研修を逆に授業観察の前に一度夏休みに実施することとした。 2021年度前半は 、研究協力校との具体的なデータ収集方法の検討をオンラインおよび対面で行い京都府立東舞鶴高等学校、さいたま市との実施体制を協議し、具体的なデータ収集方法を短期(単元レベル)および中・長期(作文・スピーチなどの産出データ収集)に分けて検討した。また特に東舞鶴高等学校とは、8月23日に科研チームで学校を訪れ、CEFR, CEFR-J の理解、CAN-DO活用の授業設計などの研修を行った。これを受けて、東舞鶴高等学校では9月に計10回にわたる授業のビデオ、生徒の発話データ、パフォーマンステストの結果などを収集し、それを受けて12月23日、再び東舞鶴高等学校での第2回目の対面の研修を行い、CAN-DOの目標設定と言語活動の組み立て方の研修、授業コーパスの初期分析の概要、等を共有して理解を深めた。 さいたま市に関しては、土屋中学校・与野南中学校の二校の協力が得られることが教育委員会との協議で決まり、研修日程、書くことの技能を中心に、英作文データ収集の目的や方向を話し合い、本格的なデータ収集は次年度以降とした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナの感染拡大で、当初予定していた計画よりは約1年は遅れてしまったが、2021年度は京都府立東舞鶴高等学校との研究協力の体制が確立され、1学期と3学期に授業データを1レッスン分綿密に収集することができたのは大きな進歩であった。さらに、3名の担当教員を含めた研修も対面で2回実施でき、今回の CEFR-J を用いた新しい指導のイメージの共有と指導技術の改善に関する検討も深めることができた。 さらに、データ収集面でも1学期に授業データを教員3名が同一単元の授業を行ったものを計19時間分、2学期の研修を経て3学期にその成果をさらに新しい単元で14時間分録画し、教師と生徒の発話をすべて文字化して授業コーパスとして整備を行った。授業全体をビデオに録画するだけではなく、個別の生徒の個人発話をタブレットで録音、さらに事前・事後のパフォーマンステストのデータを個人別に記録しこちらのデータも教員評価と同時に全データをテキスト化して、内容分析をできるように整備した。 これらの結果を受けて、当初の遅れを取り戻すべく、1年で2単元分のデータ収集ができたことは幸運であった。ただし、パフォーマンステストの分析が遅れてしまったため、データ構築は進めたが事前事後のパフォーマンスと授業内の活動内容を有意義に結びつけて分析する部分が翌年度に持ち越しとなった。さいたま市の方は、京都府での実践研究に注力したため、体制作りの段階で終わってしまった。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、京都府立東舞鶴高等学校の協力を得て授業改善のプログラムと授業データ分析を進められる体制を維持したい。懸念材料としては、現在、学習指導要領の高校の全面実施途中で、教科、教科書などが大幅に変更になる可能性があり、協力いただいている先生方の教える授業や担当学年などが大幅に変更になる可能性がある。2022年度はこれらに柔軟に対応しつつ、体制作りをおこなっていく必要がある。またパフォーマンステスト分析担当の分担者の個人的な理由で分析が遅延したため、パフォーマンステスト分析は翌年度に繰り越すこととなった。 さいたま市とは研究協力体制が確立しつつあるので、協議を継続しつつ、土屋中学校・与野南中学校における英作文データ採取の具体的計画と「書くこと」のCAN-DOとの関係を明確にした指導の効果を見るための介入の仕方を話し合って実践に移していきたい。 さらに来年度はコロナの影響が少なくなるため、中間報告の CEFR-J シンポジウムを実施して、広く研究成果を公表したい。
|