2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study of Galaxy Formation Activities at Cosmic Noon by Near-Infrared Integral Field Spectroscopy
Project/Area Number |
20H00171
|
Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
本原 顕太郎 国立天文台, 先端技術センター, 教授 (90343102)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 佑世 国立天文台, ハワイ観測所, 准教授 (40724662)
小西 真広 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (50532545)
尾崎 忍夫 国立天文台, 先端技術センター, 講師 (60532710)
児玉 忠恭 東北大学, 理学研究科, 教授 (80343101)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 銀河形成 / 近赤外線分光 / 面分光 / 超精密加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 2023年度はSWIMSを日本に輸送し、東京大学天文学教育研究センターの実験室にてTAO望遠鏡設置のためのアップグレード作業を行なった。特に以下の追加の開発を行なっている。 (i)検出器の読み出しにたまに失敗する問題が発生していたが、これは冷却ASICと常温駆動ボード間のフラットケーブルが長く、さらにケーブル間の電磁干渉が原因であると考えられたため、新たにシールドを強化し、より短いフラットケーブルを製作した。(ii)TAO望遠鏡においてはSWIMSを横倒しにしてナスミス焦点に取り付けて運用することになる。しかしながら、その姿勢ではマスクあるいは面分光ユニットを焦点面に配置する際に落下することが明らかになっていた。そのため、落下防止のための新たな機構の検討を行い、概念設計を行った。実際の製作は2024年度に行う予定である。 (2) 遠方銀河の空間分解した水素及び酸素輝線画像をJWSTの広帯域フィルタ画像データから作成する手法を新たに開発し、それを用いて、銀河内での電離水素及び電離酸素の分布を明らかにし、多数の酸素輝線非常に強く輝く星形成クランプ構造を検出した。この結果を公表する投稿論文を準備している。 (3) 面分光ユニットの観測データの詳細な解析を行い、当初目標としていた仕様をほぼ達成していることを明らかにできた。これら結果をまとめた査読論文を出版した。 (4) SWIMSをすばる望遠鏡に取り付け、共同利用で得られた成果に関する投稿論文を3編出版した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
TAO望遠鏡の建設が当初予定に比べて遅延しているためで、2024年度のSWIMSのチリへの輸送は見送ることになった。
|
Strategy for Future Research Activity |
TAO望遠鏡の建設が当初予定に比べて1年程度遅延したため、2024年度はSWIMSの改修作業に集中し、装置の完成度を高めた上で2025年度に輸送することとする。具体的な改修項目としては2023年度からの継続である(i)新規製作した検出器読み出しASICと駆動ボード間のケーブル実際に組み込んでの読み出し試験及び検出器性能評価、(ii) TAOナスミス焦点対応のマスク交換機構の改造と動作試験、を予定している。 また、本研究で目指していた空間分解した輝線画像を取得し銀河形成進化の過程を探る研究については、別途JWSTによるサーベイで得られた広帯域フィルタから簡易的ではあるものの輝線の画像を作成する手法を確立した。この画像から銀河内のプラズマ雲の物理状態をある程度明らかにすることができると考えており、その研究を継続して行う。
|