2021 Fiscal Year Annual Research Report
A study on Longterm Environmental changes and Wethering
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20H00193
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 祐典 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (10359648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大河内 直彦 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門, 部門長 (00281832)
Obrochta Stephen 秋田大学, 国際資源学研究科, 教授 (60752540)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 古気候 / 古海洋 / 風化 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に開発した、風化堆積物の定量的変動を示すことが可能なベリリウムの同位体のうち、誘導プラズマ質量分析装置を用いた、高感度のベリリウム安定同位体測定を行うことで、過去の気候および環境変化と風化侵食のシグナルがどのように保存されているかについての研究を進めた。特に氷期から現在の間氷期にいたった今でも、大規模な氷床が存在する南極大陸の現在は氷床が覆っていない露岩域と呼ばれる部分に着目した。最終氷期から現在にかけて、気候の温暖化と海水準の上昇、それに伴う氷床の融解などが起こっている。特に氷床は流動する際に基盤の岩石を削はくしている。露岩域ではかつて氷床が存在していた部分に、取り残された形での湖が存在しているため、この堆積物を用いることで、融解のタイミングなどについて議論を行うことができるデータの確保が期待された。今回は東南極の湖の堆積物についてベリリウムの同位体を分析した。すると、この地域の氷床の融解のタイミングは、北半球氷床のの融解から10,000年以上遅れてスタートしたことが明らかになった。またベリリウムの同位体からは、融解当初は風化起源のシグナルが残されているものの、その後、融解水の影響によるベリリウム同位体のエクスカーションがおよそ4,000年前に起こっていたことが明らかになった。特にこのタイミングは、海洋の循環パタンが変化したタイミングとして先行研究でも報告されているタイミングであり、沿岸地域への温暖な海流が侵入したことが原因と考えられた。海洋と氷床の変化について陸域の湖沼堆積物を用いることで関係性が明らかになった。これらについては論文が国際誌に掲載された。また、初年度に導入した堆積物のガンマ線を検出し、より最近の年代測定を行う分析装置の立ち上げも順調に行い、陸域のコアトップの年代測定に適用するべく調整を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍での制限により、前年度に引き続き分析のペースが遅かった。特に大型加速器の装置の不調についても、復旧に時間を要し、分析のペースを上げることが難しかった。しかし、代表者の研究室で分析を進めることのできたベリリウムの安定同位体については分析を順調に進めることができ、成果の一部が出版されたことから。
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Strategy for Future Research Activity |
今後のコロナ禍の変化に柔軟に対応できるように、分析計画の見直しについて検討を行う。当面は当初の計画通りに進められると問題ないが、そのようにいかなかった場合も含めて、分担者との協議を行いながら研究を遂行している。
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Research Products
(68 results)
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[Presentation] Sub-surface water mass exchanges around the eastern equatorial Indian Ocean during the last 50,000 years2021
Author(s)
高柳 栄子, 若公 良太, 木本 ゆうな, 若木 重行, 黒柳 あずみ, 石輪 健樹, 横山 祐典, 若木 仁美, 石川 剛志, 井龍 康文,
Organizer
日本地球惑星科学連合2021年大会
Invited
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[Presentation] Anthropocene signals recorded as Plutonium isotopes and Cesium-137 in Beppu Bay marine sediments, Eastern Kyushu, Japan.2021
Author(s)
横山 祐典, ティムス スティーブン, ミカエラ フローリッヒ, 阿瀬 貴博, ファイフィールド キース, 平林 頌子, ノール ドミニク, 加 三千宣, 宮入 陽介, シュテファン パヴェティヒ,
Organizer
日本地球惑星科学連合2021年大会
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[Presentation] 北海道東部根釧台地茶内地域の小規模湿原における完新世の湿地堆積環境の変遷2021
Author(s)
常岡 廉, 横山 祐典, 近藤 玲介, 太田 耕輔, 横地 穣, 金子 和広3, 冨士田 裕子, 井上 京, 紀藤 典夫, 隅田 まり, 植村 杏太, 宮入 陽介, 百原 新,
Organizer
日本地球惑星科学連合2021年大会
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[Presentation] Compound Specific, flow cytometry-based-pollen, and other radiocarbon environmental researches using a Single Stage Accelerator Mass Spectrometry at the Atmosphere and Ocean Research Institute, The University of Tokyo2021
Author(s)
Yusuke Yokoyama,T. Aze, Y. Miyairi, C. Sawada, S. Hirabayashi, K. Ota, Y. Ando, S. Izawa & Y. Ueno
Organizer
3rd International Radiocarbon in the Environment Conference
Int'l Joint Research / Invited
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[Presentation] Efficient radiocarbon measurements on marine and terrestrial samples with a single stage Accelerator Mass Spectrometry at the Atmosphere and Ocean Research Institute, University of Tokyo2021
Author(s)
Yusuke Yokoyama, Yosuke Miyairi, Takahiro Aze, Chikako Sawada, Yuka Ando, Satomi Izawa, Yoshiko Ueno, Shoko Hirabayashi, Naoto Fukuyo, Kosuke Ota, Yusuke Shimizu, Yuning Zeng, Ren Tsuneoka, Kozue Ando, Toshi Nagat
Organizer
AMS-15
Int'l Joint Research
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[Presentation] Small scale wetland based sedimentary environmental change during the Holocene on the Konsen Plateau, eastern Hokkaido, Japan based on TOC and flowcytometry-pollen radiocarbon dating2021
Author(s)
Ren Tsuneoka, Yusuke Yokoyama, Kosuke Ota, Yosuke Miyairi, Reisuke Kondo, Minoru Yokochi, Kazuhiro Kaneko, Takashi Inoue, Norio Kito, Kyota Uemura, Mari Sumita, Arata Momohara, Hiroko Fujita
Organizer
AMS-15
Int'l Joint Research
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