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2021 Fiscal Year Annual Research Report

巨大カルデラ噴火を導いたマグマ供給系の現状把握

Research Project

Project/Area Number 20H00199
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

島 伸和  神戸大学, 理学研究科, 教授 (30270862)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山本 揚二朗  国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(地震津波予測研究開発センター), 副主任研究員 (10540859)
松野 哲男  神戸大学, 海洋底探査センター, 准教授 (80512508)
伊藤 亜妃  国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター), 副主任研究員 (90371723)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords巨大カルデラ噴火 / 鬼界海底カルデラ火山 / マグマ供給系 / 海陸統合地震観測 / 海底電磁気観測
Outline of Annual Research Achievements

研究目的を達成するために、鹿児島市の南約100kmの海域に位置する「鬼界海底カルデラ火山」を対象として、この巨大カルデラ火山のマグマ供給系全体の地球物理学的なイメージングを実施する。これにより、鬼界カルデラ直下に存在すると考えられる特徴的な構造の位置や大きさ等を把握する。
本年度は、巨大カルデラ火山のマグマ供給系全体のイメージングのために、現在実施している海底および陸上での地震観測と海底電磁気観測を継続するとともに、一部の観測機器の回収を行うことで観測データを取得した。まず、昨年度の3月に神戸大学の練習船「深江丸」の航海により回収した海底電位差磁力計(OBEM)を再設置するための準備として、必要な消耗品を購入と整備を行った。そして、7-8月に実施されたJAMSTECの海底広域研究船「かいめい」のKM21-05航海により、昨年度設置した短周期海底地震計(SPOBS)と海底磁力計(OBM)の回収およびOBEMの再設置を行った。また、10月に実施した練習船「深江丸」の航海においても、SPOBSの回収を行った。さらに、昨年度に広帯域地震計を設置した臨時陸上観測点で、観測機器の点検と観測データの回収と、一部の地点で磁力計の設置も行い、観測はそのまま継続している。
得られた観測データの解析を順次進めている。まず、OBEMにより得られた海底電磁場変動データからMTレスポンスを求め、1次元の比抵抗構造を推定した。一方で、海底で得られたMTレスポンス等をもちいて3次元比抵抗構造を推定するためのインバージョン手法の開発を進めた。また、SPOBSおよび陸上観測で得られた地震波形データから、観測網の直下で発生していた地震のデータを取り出し、走時を用いたローカルトモグラフィ解析の準備を進めた。
翌年度に計画している海底観測機器の回収のために航海申請等を行い、この航海に必要な準備を始めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度も新型コロナウイルス感染症の影響により、観測機器の準備や、「鬼界海底カルデラ火山」とその周辺に観測機器を回収・再設置するための研究航海ならび陸上での現地作業にも多少の支障がでたが、感染状況を見極めながら適切に対応したことにより、計画していた項目を概ね実施することができた。
昨年度、多数の観測機器を海底および陸上の臨時観測点として設置したが、計画していたようにその一部の機器を回収することで、巨大カルデラ火山のマグマ供給系全体のイメージングに必要な観測データを取得することができた。具体的には、「鬼界海底カルデラ火山」とその周辺海域の海底で観測していた短周期海底地震計(SPOBS)単体と、海底磁力計(OBM)をつけたSPOBSを回収してその観測データを取得した。一方、昨年度に設置していた広帯域海底地震計(BBOBS)と新たに再設置した海底電位差磁力計(OBEM)は、現在も観測を続けている。また、「鬼界海底カルデラ火山」周辺の島々の陸上に設けた臨時地震観測点では広帯域地震計による観測を継続している。さらに、磁場観測点を増やすために、この陸上臨時地震観測点の一部に新たに磁力計を設置し、観測を開始した。
これまでに得られた観測データは限られているが、それらの観測データの解析を進めている。
翌年度に計画している海底観測機器の回収のために研究航海の公募に応募し、JAMSTECの研究船「新青丸」の航海の確保ができており、計画全体としては順調に推移している。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究計画では、巨大カルデラ火山のマグマ供給系全体のイメージングのために、現在継続して実施している海底および陸上での地震観測と海底電磁気観測を年度末までにはすべて終了し、観測機器の回収を行うことで観測データを取得するとともに、得られた観測データの解析を進める。
・海底で観測している機器には、令和2年度に設置した広帯域海底地震計(BBOBS)と、短周期海底地震計(SPOBS)+海底磁力計(OBM)、さらに令和3年度に設置した海底電位差磁力計(OBEM)があり、これらの回収を2月に実施予定であるJAMSTECの研究船「新青丸」の航海により行う。このために、この航海の打ち合わせを関係者と行うとともに必要な準備を進める。
・臨時陸上観測点で観測している機器には、令和2年度に設置した広帯域地震計と、令和3年度に設置した磁力計があり、これらの観測機器と観測データの回収を行う。
・昨年度に引き続き、得られた観測データの解析を順次進める。OBEMにより得られた海底電磁場変動データからMTレスポンスが得られているが、この精度向上のために解析での工夫を行う。そして、精度を高めたMTレスポンスを使って3次元の比抵抗構造の推定を試みる。この比抵抗構造の推定には、昨年度までにほぼ開発を終えているインバージョン手法を利用する。また、SPOBSおよび臨時陸上観測点で得られたデータから、観測網の直下で発生していた地震のデータの取り出しをさらに進め、走時を用いたローカルトモグラフィ解析を行う。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 調査船による海底火山研究-鬼界海底カルデラプロジェクトを例として-2022

    • Author(s)
      島 伸和
    • Journal Title

      日本船舶海洋工学会誌 KANRIN(咸臨)

      Volume: 101 Pages: 22-27

URL: 

Published: 2022-12-28  

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