2020 Fiscal Year Annual Research Report
被災局面の同定によるマルチスケール動学的システムとしてのインフラの危機耐性の評価
Project/Area Number |
20H00258
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本田 利器 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (60301248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 充良 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00302191)
小野 祐輔 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (00346082)
倉内 文孝 岐阜大学, 工学部, 教授 (10263104)
高橋 良和 京都大学, 工学研究科, 教授 (10283623)
大西 正光 京都大学, 防災研究所, 准教授 (10402968)
風間 基樹 東北大学, 工学研究科, 教授 (20261597)
庄司 学 筑波大学, システム情報系, 教授 (60282836)
野津 厚 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 領域長 (60371770)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 危機耐性 / レジリエンス / 耐震 / ライフライン |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)地震外力の評価については,設計用の地震外力を作成する手法として,機械学習を用いた手法を構築した.内陸地殻内地震と海溝型地震のそれぞれを想定した震源モデルの適用性を検証した.(2) 危機耐性局面を想定した免震橋梁模型に対して一方向入力および二方向入力の震動実験を実施し,性能を確認するとともに,性能の安定性等の課題を同定した.また,被災後の対応を考慮するメタボリズム耐震橋脚構造の載荷実験を行った.被災時のメナーゼヒンジの力学特性についても実験を実施して分析した.また,地盤の耐液状化性能設計法に関連して,設計地震動を超える外力対応についての調査を行うとともに,地中地震動の推定について機械学習を用いた手法の検討を行った.(3) 道路ネットワークの被災時の通行容量の低下を考慮したリスク評価手法を提案し,四国の道路ネットワークを対象に適用性を検証した.また,道路ネットワーク接続性向上に効果的な整備施策を特定するための隣接行列の最大固有値の指標をもとに明らかにする手法も提案した.(4) 2011年東北地方太平洋沖地震における上・下水道施設並びに電力施設の被害をとりあげ,下位システムとしての抹消系ライフラインシステムの危機フェーズを地震動強さと被害率の関係性の中から明らかにした.(5) 社会的要因を考慮するためのステークホルダーの相互作用評価については,東日本大震災で活用された復興CMの官民の連携を通した対応の事例分析とその理論的分析により,リスク認知の不確実が官民間の協力関係に与える影響についてゲーム理論を用いた分析を行い,協力関係が生じるための必要要件について理論モデル上で明らかにした.(6) テイルリスクの定量化については,上記(4)の結果を受けていくつかのリスク指標に基づく評価法を比較した. (7) 南海トラフの被災想定については文献等による基礎的な情報を収集した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理論的な検討や実験に基づく技術的な検討は行えているが,新型コロナウイルスの影響により,海外の研究者との詳細に関する情報交換にもとづく検討に若干の遅れがある.
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Strategy for Future Research Activity |
海外の研究者との詳細に関する情報交換にもとづく検討について,現地調査等の活動を現地との情報交換で代替する等してオンラインなどの手段を用いることで対応する.
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