2020 Fiscal Year Annual Research Report
マルチモードイメージング情報を基盤とするITによる作物生産プロセスの熟成
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20H00437
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中西 友子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任教授 (30124275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二瓶 直登 福島大学, 食農学類, 准教授 (50504065)
岩田 錬 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 名誉教授 (60143038)
杉田 亮平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (60724747)
青木 直大 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (70466811)
廣瀬 農 星薬科大学, 薬学部, 准教授 (90708372)
森野 佳生 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (90712737)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | RIイメージング / ベータ線 / シンチレータ / 植物栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで開発を行ってきた生きた植物体内の元素動態を解析可能とするリアルタイムRIイメージングシステム(RRIS)の高度化を行った。撮影原理はシンチレータを用いて放射線を光に変換して行う。シンチレータと植物との間に空間ができると解像度や定量性が低下する。そのため、植物をシンチレータに固定する必要がある。一方でこれまでのシンチレータは板状であり、三次元的な構造の植物をシンチレータに固定すると植物へのストレスが大きい。そこで粉状シンチレータを植物に塗布することでRIイメージングを行う撮影技術の開発を目的とした粉状シンチレータの開発を行ってきた。本研究では新規シンチレータの探索を目的として、多量のケミカルライブラリーを用いてシンチレータ能を有する化合物をハイスループットでスクリーニングできる実験系を構築した。具体的には、96穴プレートに様々なシンチレータおよびRIとして35Sを混合して発光を測定することで、多量のサンプルを迅速に測定できる。25000種の化合物をスクリーニングした結果、シンチレータの基準となっているアントラセンよりも数十倍の輝度を有する化合物群を新たに発見した。より詳細なシンチレータの特性をを電子線形加速器LINACを用いて、シンチレータの外部から電子線を照射して解析した結果、発光波長は検出器の最大感度域であり、非常に効率よく検出できることが期待される。本研究は植物イメージングがテーマとしたシンチレータの開発であるが、他分野でも利用できる可能性も探索していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究により開発したハイスループットなシンチレータ探索法により高輝度な新奇シンチレータを多数発見、現在、特許申請中である。また、いくつかの企業が興味をもっており、ディスカッションを進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
本実験で発見した新規シンチレータを植物イメージングに適用させる目的とした、シンチレータの特性の解析、溶媒の最適化、クエンチングが起きうる条件、植物への添加方法等の検討を行う。具体的には、様々な溶媒での発光解析や抽出などの前処理により起きうるクエンチングの解析、およびその対策の検討の他、植物への直接塗布や根から吸収させる方法等を、シンチレータとRIとの混合による発光、および外部からの電子線照射による発光の2通りで解析を進める。加えて、植物イメージングによる養分の分配メカニズムの解析を進める。具体的には、ダイズの葉から光合成により取りこまれた14Cによる光合成産物の輸送、蓄積を解析し、sink-sourceの関係がどのように制御されているのかを解析する。
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Research Products
(2 results)