Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
アゲハチョウ類で進化したベイツ型擬態紋様形成を制御する超遺伝子の構造・発現・機能をアゲハ近縁種間で比較することで、平行進化の分子メカニズムを解析する研究である。応募者のこれまでの研究を、組み換え抑制メカニズムや近縁種の超遺伝子構造も考慮しさらに発展させ、擬態という複雑な適応形質が進化した起源を解明する。擬態超遺伝子における染色体逆位の有無という、応募者自身が発見した現象に着目し、擬態形質の遺伝的背景を明らかにする本研究は、世界的に見ても独創性が高いものである。超遺伝子領域の逆位構造と主要遺伝子の構造比較、組み換え抑制メカニズムを解析する研究計画および手法は、これまでの実績をもとに良く練られたものとなっているため、着実に世界から注目される先端的な成果が得られることが期待される。