2022 Fiscal Year Annual Research Report
レクチン受容体を介する自己認識の生物学的意義と分子基盤
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20H00505
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山崎 晶 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (40312946)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | C型レクチン受容体 / β-GlcCer / ゴーシェ病 |
Outline of Annual Research Achievements |
C型レクチン受容体Mincleは結核菌糖脂質など病原体を認識するとともに、自己糖脂質β-GlcCerを認識し、組織損傷を感知することが分かっている。β-GlcCerは、その分解酵素であるGBAによって濃度が厳密に制御されているが、GBAの常染色体劣性突然変異によりβ-GlcCerが蓄積し、ゴーシェ病(GD)の原因となる。GD患者は重度の神経障害症状を呈し、現在の治療法では治療が困難である。蓄積したβ-GlcCerは神経細胞に内在する毒性を引き起こすが、その分子作用は十分に解明されていない。我々は、GDマウスに蓄積したβ-GlcCerがMincleを介してミクログリアを活性化し、生きた神経細胞の異常な貪食を誘導し、GD症状を増悪させることを見出した。この過程は、活性化したミクログリアから分泌される腫瘍壊死因子(TNF)によって増強されることも判明した。この特徴的な病態は、GD患者でも観察された。FDA(米国食品医薬品局)が承認した薬剤を組み合わせてマウスでこれらの経路を遮断すると、神経細胞死が抑制され、神経細胞障害症状が改善された。このように、ドラッグ・リポジショニングを用いて活性化したミクログリアを制限することで、致死的な神経原性GDに対して迅速に適用可能な治療オプションが得られることが示された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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