2020 Fiscal Year Annual Research Report
Dissemination mechanisms of colistin-resistant bacteria in communities of developping countries
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20H00561
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山本 容正 岐阜大学, 連合創薬医療情報研究科, 招へい教員 (20010100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 隆二 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主幹研究員 (10332454)
田中 香お里 岐阜大学, 高等研究院, 教授 (20242729)
林 将大 岐阜大学, 高等研究院, 助教 (20646385)
山本 眞由美 岐阜大学, 保健管理センター, 教授 (40313879)
山口 貴弘 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主任研究員 (80553635)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 薬剤耐性 / コリスチン / ベトナム / コミュニテイ |
Outline of Annual Research Achievements |
コリスチンは多剤耐性菌治療の切札とされている。この抗菌剤に対する耐性菌が途上国コミュニテイで蔓延し、その世界的拡散が大きな脅威となっている。申請者らの最近の研究から、途上国コミュニテイではコリスチン耐性菌が蔓延の段階からさらなるステージである慢性化へと進展悪化していることが示唆されたが詳細は不明である。そこで、本研究では、耐性菌蔓延とその慢性化に寄与する耐性遺伝子リザーバーであるヒトならびに家畜腸内細菌叢に焦点をあて、①コリスチン耐性遺伝子の細菌叢構成細菌種間分布と②染色体性耐性遺伝子解析を行い、蔓延の慢性化機構解明を行う。また、コミュニテイにおける薬剤耐性対策に必須である耐性菌動向調査・監視に用いる③耐性菌簡易迅速測定法の開発を行い、今後予測される脅威への効果的対応に資する科学的基盤成績取得と耐性菌モニタリング技術の提供を目指した。 研究初年度となる本年度は、①染色体性コリスチン耐性遺伝子解析では、新型コロナ感染拡大による通念に亘る海外への渡航制限により海外のコリスチン耐性菌蔓延地域での菌株分離採集が出来なかったため、既に分離収集した分離株を用いたゲノム解析を実施した。②腸内細菌叢におけるコリスチン耐性遺伝子の菌種間分布では、日本人健常者糞便検体DNAを用いたメタゲノム解析を複数の解析法により試行した。③新規耐性菌簡易迅速測定法の開発では、real-time PCRによる耐性遺伝子検出のためのコアプライマーならびにプローブの設計と最適条件を検討した。いずれの研究項目も海外での菌株収集を除き、当初予定の研究が遂行され、次年度での研究継続の基盤となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ感染パンデミックによる海外での耐性菌株収集が通年に亘り実施できなかったが、既に分離収集保存していたコリスチン耐性大腸菌株の解析を実施し、その成果を論文発表した。具体的には、家族が飼育している家畜と家族構成員から分離されたコリスチン耐性株のゲノム解析を行った結果、同一家庭内の家族構成員と飼育家畜との間で耐性遺伝子mcrを保有する同じIncタイプのプラスミドが見出された。この研究成果は家庭飼育家畜とヒトとの間でコリスチン耐性遺伝子が広がっている事を見出した最初の報告となった。研究初年度では次年度以降に向けての研究基盤となる成果が出ており、加えて具体的な研究成果を論文発表した事が、研究が順調に進展していることを物語っている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で得られた研究基盤成績を基に、研究初年度で実施できなかったコリスチン耐性菌蔓延地域からのコリスチン耐性株の分離収集と得られた分離株のゲノム解析の実施、コリスチン耐性菌蔓延地域健常者糞便検体DNAを用いたメタゲノム解析を実施し、主要構成菌種クラスターと耐性遺伝子分布解析を非蔓延地域健常者糞便検体DNAのそれと比較検討、簡易迅速測定に供する検体DNAの効率的且つ簡便な抽出法の開発を行い、今後予測される脅威への効果的対応に資する科学的基盤成績取得と耐性菌モニタリング技術の提供を目指す。
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Research Products
(2 results)