2021 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular and epidemiological research on gout and hyperuricemia from Japan: heading toward novel genome-personalized prevention and medicine
Project/Area Number |
20H00566
|
Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
松尾 洋孝 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 分子生体制御学, 教授 (00528292)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早野 貴美子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 教授 (40759031)
山本 健 久留米大学, 医学部, 教授 (60274528)
高田 龍平 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90376468)
中山 昌喜 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 分子生体制御学, 講師 (50876000)
豊田 優 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 分子生体制御学, 助教 (80650340)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ゲノム個別化予防 / ゲノム個別化看護 / ゲノム個別化栄養指導 / 痛風 / 高尿酸血症 / 低尿酸血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは痛風の主要病因遺伝子ABCG2を同定し、さらにABCG2の解析を基に高尿酸血症の新規臨床分類を提唱した。また、世界に先駆けて明確に臨床診断された痛風のゲノムワイド関連解析(GWAS)や世界最大規模の尿酸値のGWASなどを報告し、数々の新規遺伝子座の同定に成功してきた。これらの日本発の研究を通じて、痛風・高尿酸血症は多因子疾患の中でも特に遺伝要因が強く、ゲノム個別化予防・医療の重要なモデル疾患となり得ることから、さらなる研究を進めている。 本研究計画の2年度目にあたる2021年度においては、2020年度(初年度)に得られた成果を発展させるとともに、その一部については論文化を行った。たとえば、X染色体全体における関連解析(XWAS)を通じて見出すことに成功した。新たな尿酸関連遺伝子の同定に加えて、痛風の主要病因遺伝子ABCG2の変異(個人差)がポルフィリン動態にも影響することなどを査読付き論文として発表した。また、病型の違いに着目した痛風の遺伝的リスクに関する解析を行い、腎負荷型のリスク因子としてのABCG2機能変動の重要性をゲノムワイド有意に見出すことにも成功した。さらに、腎性低尿酸血症についても検討を進め、特に男性においては3.0 mg/dL以下でも腎性低尿酸血症を疑うべきであるとする疫学的証拠を見出したのみならず、日本人一般集団約3万人を対象とした解析を通し、血清尿酸値と尿中尿酸排泄率から腎性低尿酸血症の病型(原因遺伝子)とその変異数を予測する診断モデルを提唱し、遺伝子変異解析に頼っていた診断方法に頼らない手法を考案し、論文報告した。2021年度までに得られた成果に基づき本研究がさらに発展していくことで、多因子疾患のゲノム個別化予防における先駆的な例が提示されることになると期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、1)症例対照研究による痛風の新規関連遺伝子の対策と同定、2)コホート集団を対象とした尿酸関連遺伝子の探索と分子機能評価、3)痛風と高尿酸血症の遺伝的背景の差異の探索と検証、4)尿酸関連遺伝子を対象とした脳卒中やパーキンソン病の分子遺伝疫学的解析、5)国際コンソーシアムを活用体制の構築・維持、6)リスク評価法の確立によるゲノム個別化予防・医療への応用・提言、という6項目について研究を予定している。2021年度においては、このうち1、2、3、5、6について成果を報告することができた。当初の予定より早いペースで研究が進んでおり、2022年度中にも新たな成果を報告できる見込みである。さらに、他の項目においても引き続き研究を進めていることから、当初の計画以上に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度においては、2021年度までの研究を引き続き発展させるほか、他疾患の分子遺伝疫学的解析にも引き続き取り組む予定である。さらに、2021年度に発表した成果について、より広く社会に向けて発信することを試みる。特に、2021年度末に報告した「コーヒーを飲むと痛風のリスクが下がる」ことを報告した論文については、社会的インパクトも大きいと考えられることから、適切な形で成果の公開を進める。また、エビデンスを伴う「ゲノム個別化看護」についても成果を報告できるよう、看護学の研究者を含む研究分担者との解析やディスカッションを引き続き継続し、今後の論文化に向けて、より詳細な解析進める方針である。痛風・高尿酸血症は遺伝要因の影響が他の多因子疾患と比べてもきわめて高い。そのため、個人差に応じた医療や予防に、看護、薬剤指導、栄養指導などの観点からも取り組むことで、より適切なゲノムオーダーメイドの医療・予防サービスの提供が可能になることが期待できる。本研究をさらに発展させることでその一助とできるよう、研究分担者・協力者との連携を深め、多角的な視点から研究を進める計画である。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Clinico-genetic analyses of gout/hyperuricemia and hypouricemia: Recent progress from Japan2021
Author(s)
Matsuo H, Takada T, Nakayama A, Toyoda Y, Kawamura Y, Shimizu S, Nakatochi M, Shirai Y, H. S, Shinomiya N, Ichida K, Okada Y.
Organizer
11th Oriental Gout Forum and 5th Asia-Pacific Gout Consortium
Int'l Joint Research / Invited
-
-
-