2020 Fiscal Year Annual Research Report
Sources and behaviors of broad-spectrum phenolic endocrine distrusting chemicals (EDCs) and historical trends of their pollution
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20H00627
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
高田 秀重 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70187970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 典秀 京都大学, 工学研究科, 講師 (00391615)
小島 弘幸 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (10414286)
水川 薫子 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (50636868)
内田 圭一 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (50313391)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 内分泌攪乱化学物質 / ビスフェノールA / BPA代替物質 / エストロゲン受容体 / 高感度化 / ベンゾトリアゾール / 紫外線吸収剤 / 医薬品 |
Outline of Annual Research Achievements |
廃棄物埋立処分場浸出水をアセチル誘導化しScan modeでGC-MS分析することから対象成分をピックアップした。BPA、ビスフェノール代替化合物(BPF, BPS, BPZ,BPAP, BPE, BPAF, BPB), ノニルフェノール、オクチルフェノール、トリクロサン、チモール、oxybenzone (BP-3),UVPの一斉分析法を開発した。廃棄物埋立処分場浸出水とその負荷を受ける河川水ではBPAが卓越する組成であり、都市の下水処理水ではBPF, BPAF, BPSなどの代替品が卓越する組成となった。 日焼け止め成分については本科研費で導入したLC-MS/MSでの分析法を開発し、oxybenzone (BP-3), avobenzone, octinoxate, octocrylene, sulisobenzone (BP-4)の都市水域での分布を明らかにした。特にsulisobenzoneについては国内で初めての検出で、最大389 ng/Lとこれまで検出されている日焼け止め成分よりも高濃度で検出された。 エストロゲン療法に用いられる医薬品成分の国内生産量を調べ、高生産量成分のうち比較的高いエストロゲン様活性が報告されている成分を、分析対象として選出した。その結果、エチニルエストラジオール 、エストラムスチン、メストラノール、ノルエチステロン、ダナゾールが選出された。これらの成分のLC-MS/MSでの分析感度が低いため、高感度化のため誘導体化を検討し、数倍から数千倍の高感度化を達成した。 CHO-K1細胞株にエストロゲン受容体(ER)発現プラスミド及びルシフェラーゼレポータープラスミドを導入し、ERa/bレポーターアッセイ系を構築した。本法を用いてフェノール性水酸基を有するベンゾトリアゾール系UV吸収剤13物質のERa/bアゴニスト・アンタゴニスト活性を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GC-MSおよびLC-MS/MSを使ってこれまで報告例のない内分泌攪乱物質の分析法を作り、それらの都市水域での濃度レベルを明らかにしたことは評価される。 ベンゾトリアゾール系UV吸収剤のエストロゲン受容体との結合能を高感度で検討する手法を確立し、新規の内分泌攪乱物質を検出したことも高く評価される。 3機関それぞれで新規性のある研究成果が挙がっている点はプラスであるが、それらが有機的に組み合わされていない点がマイナスであり、全体としてはおおむね順調な進展と評価される。
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Strategy for Future Research Activity |
3機関の取り組みを有機的につなげる取り組みを推進する必要がある。具体的には、共通の環境試料を採取し、同じ試料について、東京農工大学と京都大学でそれぞれの対象成分の分析を行う。さらにそれらの成分のエストロゲン活性を北海道医療大学の手法で測定し、各分析成分の相対的な重要性を評価する。それを試料の総エストロゲン活性と比較する。
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