2022 Fiscal Year Annual Research Report
Sources and behaviors of broad-spectrum phenolic endocrine distrusting chemicals (EDCs) and historical trends of their pollution
Project/Area Number |
20H00627
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
高田 秀重 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70187970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 典秀 神奈川大学, 工学部, 准教授 (00391615)
小島 弘幸 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (10414286)
内田 圭一 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (50313391)
水川 薫子 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (50636868)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 内分泌攪乱化学物質 / ビスフェノールA / ノニルフェノール / ベンゾトリアゾール / 紫外線吸収剤 / 添加剤 / プラスチック / 柱状堆積物 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の河川水調査を拡大し、河川水を神奈川県鶴見川および下水処理水を放流口にて採取し、化学分析した。女性ホルモン類が、河川水からE2当量濃度で5 から20 ng /L下水処理放流水から63 ng /Lと高値で検出された。一方、オゾン処理後の放流水では定量下限値以下であり、汚染対策としてのオゾン処理の有効性が示唆された。 フェノール系環境ホルモンの環境負荷源と考えられる廃棄物埋立処分場浸出水を、マレーシアクアラルンプール近傍の埋立処分場で採取し、現地でろ過後、日本に持ち帰り、2023年度の化学成分の分析およびホルモン活性の測定に供する準備を行った。 ノニルフェノールの代謝物(OH-NPおよびoxo-NP)標準品について代謝物のエストロゲン活性を明らかにした。 東京湾柱状堆積物中のフェノール系内分泌攪乱物質の分析を行った。95 cmの柱状試料を2.5 cmづつにスライスしポリ塩化ビフェニル(PCBs)、直鎖アルキルベンゼン、分枝型アルキルベンゼンを分析し、1970年の層を特定し、含水率を考慮して、各層の堆積年代を推定した。ビスフェノールAとその代替化合物, ノニルフェノール、オクチルフェノール、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤について表層から90 cmまでの層を5 cm刻みに分析した。アルキルフェノール類、ビスフェノール類、およびベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤濃度が1960年代に相当する70cmから80cmの層で急増することを明らかにした。高度経済成長に伴いこれらの化学物質の大量消費が始まったことが示された。1970年代以降、濃度が減少する成分もあったが、横ばい、さらに増加した成分も認められた。また、それぞれの物質の検出され始める層(年代)は各化学物質の生産・使用開始の年代以前の場合があり、堆積物の鉛直混合や間隙水を通した再移動の可能性も示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
河川水、下水処理水、堆積物中の内分泌攪乱化学物質の分析は進み汚染実態とその経年変化を明らかにしてきたことは評価されるが、試料の調整と配分が遅れて、エストロゲン活性の測定に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
河川水、下水処理水、堆積物、および廃棄物埋立処分場浸出水について化学分析を進めると共に、それらの試料及び分画試料を分担者間で確実に共有し、化学分析とバイオアッセイを行い、両者を融合させた議論を行う。
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