2020 Fiscal Year Annual Research Report
東方・ギリシア教父と女性ーその歴史的実態と東西キリスト教世界における解釈史ー
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20H01191
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Research Institution | Tokyo Junshin University |
Principal Investigator |
宮本 久雄 東京純心大学, 看護学部, 教授 (50157682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 寛 聖心女子大学, 現代教養学部, 非常勤講師 (10633430)
海老原 晴香 白百合女子大学, カトリック教育センター, 准教授 (20805246)
足立 広明 奈良大学, 文学部, 教授 (30412141)
袴田 玲 岡山大学, 社会文化科学研究科, 特任助教 (30795068)
坂田 奈々絵 清泉女子大学, 文学部, 専任講師 (30795109)
阿部 善彦 立教大学, 文学部, 教授 (40724266)
鶴岡 賀雄 清泉女子大学, 文学部, 非常勤講師 (60180056)
山田 望 南山大学, 総合政策学部, 教授 (70279967)
山田 順 西南学院大学, 国際文化学部, 准教授 (90352202)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 女性 / 教父 / ペラギウス / マリア論 / 雅歌 / ローマ史 / ビザンツ史 |
Outline of Annual Research Achievements |
東方キリスト教関係については研究代表者、分担者において次のような進展があった。 1)ローマ女性の社会参加にかんしてEmily Hemelrijkなどの研究書を読み進め、典拠となる碑文史料を収集した。2)テクラ崇敬に関する文献を中心に、西洋古代末期における女性とキリスト教に関連する研究文献、資料の収集に努めた。3)グレゴリオスのキリスト者としての生き方、司牧活動への二人の女性たちの影響を明らかにするため『聖マクリナの生』を精読し、成果を共著『日常の中の聖性』に報告した。4)カッパドキア教父の婚姻観にかんして『純潔について』等を精読し、成果を『白百合女子大学キリスト教文化研究所論集』第22号に報告した。5)ビザンツ時代末期のマリア理解にかんしてグレゴリオス・パラマスの説教テクストの精読を進めた。6)テサロニケの歴史的・社会的状況やパラマス及びイシドロスの一般民衆への教化活動について解明を進めた。7)研究課題に密接する根本問題としてのパウロの神秘論、また、今日的課題との接続に向けて、日本の女性解放史や人間協働体の成立について探求した。8)ローマ、サンジョヴァンニ病院地下の初期キリスト教オラトリオ発掘現場から出土した壁画について、画像データの分析を行った。
西方ラテン・キリスト教関係については以下の様である。 1)東方からの影響にかんしてペラギウスがデメトリアスに宛てた書簡と、クリュソストモスがオリンピアスという女性に宛てた書簡を比較研究を進めた。2)グレゴリウス大教皇の雅歌註解、クレルヴォーのベルナルドゥスの雅歌註解に関する文献を集め読解を進めた。2)身体性に関して、おそらく西方独特の解釈のトポスがあり、ドイツ神秘思想の神との一致の理解にもつながっているであろう、という見通しを得ることができた。3)12世紀における聖母崇敬と女性理解にかんしてベルナルドゥスの説教の翻訳と分析をすすめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
主に、コロナ問題によって予定していた研究会や講演会などの予定がたてられなくなったため、また、研究出張などの計画も立てられなくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究自体は一定の進展を得たので、それをさらに発展させるべく、研究計画を基盤にして進めてゆく。また、コロナ問題によって遅れが出た部分について、繰越予算などを活用して、可能な限り挽回してゆく。また、リモートシステムなども積極的に活用してゆく。
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Research Products
(15 results)