2020 Fiscal Year Annual Research Report
Varietas and inventio in the visual arts of the early modern period
Project/Area Number |
20H01208
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
桑木野 幸司 大阪大学, 文学研究科, 教授 (30609441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡北 一孝 京都美術工芸大学, 工芸学部, 講師 (00781080)
水野 千依 青山学院大学, 文学部, 教授 (40330055)
渡辺 浩司 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (50263182)
林 千宏 大阪大学, 言語文化研究科(言語文化専攻), 准教授 (80549551)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 記憶術 / 百科全書主義 / エクフラシス / マニエリスム / 修辞学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度企画しつつも、コロナ禍によって実行ができなかったシンポジウムの実施を主眼としたものの、調整が難しく、次年度に予算を繰り越して実施することとなった。そのため、本年度は次年度開催のシンポジウムの発表にむけ、代表者および分担者が課題を各自遂行することに主眼を置き、適宜、ZOOM等を使用して研究ミーティングを行った。結果的に研究代表者を中心として、論文3本、一般的解説5本、外国語発表を含む口頭発表4本という、十分に満足のゆく研究成果を出すことができた。本年度特に集中して取り組んだ課題・テーマは、庭園空間の造形における修辞学的発想(inventio)の影響、という点である。具体的には16世紀後半のフィレンツェを中心に活躍したドミニコ会士アゴスティーノ・デル・リッチョの農業論中の一章、王侯貴紳の理想庭園のモデルを提示したテクストを分析対象とし、エクフラシス的文章が描き出す庭園の空間造形や壁画、噴水、オートマータといった要素に、修辞学における発想や多様性(varietas)が反映している点を分析した。その成果は、イタリアのトリノ市で開催された国際シンポジウムにて、イタリア語で発表した(ZOOM参加)。発表内容については、参加者たちから高い評価をいただいた。この口頭発表をもとにした論文が、次年度以降に発刊されるよていである(イタリア語)、このほか、次年度以降のアウトリーチ活動を念頭において一般向け概説書の執筆を継続的に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度予定していたシンポジウムの開催を予定していたんものの、コロナ禍のさまざまな困難のため、次年度の延期せざるを得なかったが、それ以外は、おおむね予定通りに研究課題を進めることができた。特に、庭園空間と修辞学との関連について、いくつか独創的な発見があったことは、大きく評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本科研課題の中間報告となるシンポジウムを夏・秋に実施することを目標とする。さらに大きな視点からは、最終年度の計画している国際シンポジウムの実施のため、研究分担者らと協力し、課題の遂行に全力をつくしてゆく。コロナの影響がおさまってきたら、海外出張を実施し、主にイタリアのアーカイヴ(フィレンツェ・ローマ・モデナ)にて、資料収集を行う予定である。
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Research Products
(7 results)