2020 Fiscal Year Annual Research Report
Construction and Application of a Multilingual Corpus for the Studies of Post-Documentary Arts
Project/Area Number |
20H01217
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
桂 英史 東京藝術大学, 大学院映像研究科, 教授 (60204450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐山 孝司 東京藝術大学, 大学院映像研究科, 教授 (10234402)
布山 毅 東京藝術大学, 大学院映像研究科, 教授 (10336654)
高山 明 東京藝術大学, 大学院映像研究科, 教授 (60748333)
畠山 直哉 東京藝術大学, 大学院映像研究科, 教授 (60817641)
和田 信太郎 東京藝術大学, 大学院映像研究科, 助教 (80648353)
西條 朋行 東京藝術大学, 大学院映像研究科, 講師 (50373014)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ポストドキュメンタリー / 音声コーパス / メタフィクション / エッセイフィルム / 啓蒙 / 教化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域や分野を横断して表現されるポストドキュメンタリーのあり方を、エッセイフィルムやメタフィクションといった作品形態の視点のみならず、音声コーパスの構築を通じて映像作品を評価することにより、その言語表象の同時性の動的な構造を解明するとともに、それらを用いた映像製作を実践することにある。 今年度は音声コーパス化の予備調査とデータ収集から解析のノウハウを確立することを図った。過去に発表された映像作品、パフォーマンス作品の音声データを数人のアーティストとアーティスト・コレクティヴより寄贈を受け収集し、2020年12月までにメタデータ作成を行うとともに、インタビュー等の筆耕を行い、その筆耕のデータは一部形態素解析を行って、分類、編纂方法について調査・検討を進めた。その作業を行いながら、データ収集から解析のノウハウをほぼ確立するとともに、メディア表現における音声(インタビュー、ナレーション、朗読、音楽、音効など)に、言語表象の同時性の動的な構造として「啓蒙」や「教化」の役割があることを仮説として得られた。 また今年度は詩人を招聘したオンラインでの公開トークを開催し、2011年11月に創作者による越境することの意義が論じられ、図らずも朗読のもつ「啓蒙」や「教化」についての諸相について検証し知見を深めた。いずれも視覚優位のグローバルな支配言語としての映像に対する抵抗と葛藤のあり方として音声の持つ「啓蒙」と「教化」を確認し、そこからポストドキュメンタリーのあり方への可能性を見ようとする、芸術実践としての方法論やパースペクティヴが充分に発揮されている。 本研究の研究代表者および研究分担者は、それぞれの主題について研究を継続し、それぞれの成果を論考や論文として紀要などに発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、初年度は音声コーパス構築へ向けた準備を進め、情報共有に努めるとともに、実践面でも音声を重視したポストドキュメンタリーに関する映像作品の製作に必要な調査の方向性について検討することを目標としていたが、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、現地調査やインタビューの機会が奪われてしまったため、音声コーパス構築のための対面での作業やディスカッションをリモートでのトークやミーティング等で補い、音声データの分類、編纂方法について調査・検討を進め、多くの研究協力者を得ることができ、次年度に向けてむしろ包括性の高い成果に結びつけることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、音声コーパスの構築を進めるだけでなく、そのコーパスの方法の公開や共有についても検討を進めてゆく。具体的には、データの分類、編纂についての事例を参照しつつ、映像資料の音声コーパス化をさらに進める。さらにポストドキュメンタリー作品製作に向けて、共同研究者や研究協力者との連携をより密接に取り合いながら、「啓蒙」と「教化」に焦点をあてた現地調査や対面調査(リモートをせ含む)を進める予定である。
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