2022 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental analysis on seventeenth and eighteenth-century optics: Mainly on so-called 'Newton's prisms'
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20H01227
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
多久和 理実 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 講師 (20814718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 葉一 東海大学, 文明研究所, 研究員 (20189856)
塚原 東吾 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (80266353)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 科学史 / 科学機器 / 光学 / プリズム / アイザック・ニュートン |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目にあたる2022年度は、アイザック・ニュートンの理論面についてのこれまでの調査のまとめとしてHistoria Scientiarum誌上でニュートン特集号を企画した。また、3月に多波長アッベ屈折計をイギリスに運搬し、大英博物館、王立医科協会、ウィップル科学史博物館、レン図書館に持ち込んで収蔵されている「ニュートンのプリズム」計5点の屈折率を本測定した。その後、屈折計をオランダに運搬し、ブールハーフェ博物館、タイラース博物館、ユトレヒト大学博物館に持ち込んで収蔵されている「スグラーフェサンデのプリズム」計11点の屈折率を本測定した。 成果1件目は、2021年度の活動内容を踏まえて、2022年11月に発行された日本科学史学会の欧文誌Historia Scientiarum誌上でニュートン特集号を発行したことである。分担研究者・研究協力者による査読論文が2件、レビュー論文が2件発表された。 成果2件目は、ニュートン理論についての研究発表会の第二弾である。2022年5月の日本科学史学会の年会において、シンポジウム「異なる視点からみたアイザック・ニュートン像を持ち寄る」を開催し、分担研究者・研究協力者による発表が4件実施された。 成果3件目は、現代的な科学分析に基づく歴史研究についての研究発表会である。2022年5月の日本科学史学会の年会において、シンポジウム「科学的分析を通じて歴史研究をすることで文字資料を超えて何がわかるのか」を開催し、分担研究者・研究協力者による発表が4件実施された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
感染症対策や渡航制限が落ち着いたため、イギリスおよびオランダに多波長アッベ屈折計を持ち込んだ本測定を実施することができた。また、2022年11月に発行された日本科学史学会の欧文誌Historia Scientiarum誌上でニュートン特集号を企画したことによって、周辺分野を含めたニュートン研究についての研究協力体制が強固になった。遅れていた本測定が無事に実施できたこと、同時に科学機器についての調査が進展したことにより、「おおむね順調に進展している」と結論する。
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Strategy for Future Research Activity |
4年目にあたる2023年度は、海外での本測定の続きを実施する。2022年度のイギリスおよびオランダでの測定結果を踏まえて、多波長アッベ屈折計を改良する。屈折計をイタリアに運搬し、トレヴィーゾ市立博物館に所蔵されている「ニュートンのプリズム」計3点の屈折率を本測定する。本測定の結果をまとめたシンポジウムあるいはオーガナイズド・セッションを開催する。
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