2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study on dynamics and a mechanism of language declination among young generations in Okinoerabu
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20H01257
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
中山 俊秀 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (70334448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 晶子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 特別研究員(RPD) (40815312)
冨岡 裕 神田外語大学, 外国語学部, 講師 (90816505)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 危機言語 / 方言 / 言語衰退 / 社会言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度、即ち本プロジェクトの2年目における研究活動は、新型コロナウイルス感染症の蔓延という未曾有の事態が拡大を続ける中推進することとなり、計画されていたフィールドワークの多くが実施不可能となる状況が続いた。この状況のもと、以下のように2年目の計画に沿った活動を調整し、研究を推進した。 1) 文法知識・言語能力の調査:2年目の計画では、若年層話者の言語知識と使用実態の包括的な調査を予定していた。しかし、現地での詳細なフィールドワークが行えなかったため、オンラインインタビューとアンケートを活用し、基本的な文法知識と言語運用能力の初期データを収集するに留まった。これにより、言語知識の世代間差異を明らかにし、言語機能の喪失傾向を捉えるための基礎資料を得ることができた。 2) 言語使用の実態調査:計画では、言語使用パターンの社会言語学的分析を深めることを目指していた。2021年度は、オンラインでのアンケート調査により、言語選択の背景にある社会的要因を探る予備的なデータを収集することができた。 3) 言語意識の調査:伝統言語に対する意識や態度、言語とアイデンティティの関係を解明することが2年目の重要な目標の一つであったが、規模を縮小してのインタビューとアンケートにより、言語に対する感情的態度や言語意識の違いを探る基本的なデータが収集できた。 これらの成果は、本来計画された望ましい方法とは異なった形で得られたものの、本研究を推進する上では重要な基礎資料となった。COVID-19の状況が改善され次第、これらのデータをさらに詳細に分析し、計画通りの現地調査を再開することが急務である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19蔓延の影響により、計画されていた現地でのフィールドワークが移動制限や健康リスクにより長期間にわたって実施できなかったため、データ収集の手法を電話インタビューやオンラインアンケートに切り替える必要があった。そのため、得られるデータの量と質に影響が出た。プロジェクトのスケジュールは大幅に遅延し、研究成果の公表や次の研究フェーズへの移行が遅れる結果となった。また、資金配分の再配置や研究チームの協力体制の調整も必要とされた。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の影響を受けた2年目の研究進捗を踏まえ、今後の研究推進には以下の方策を取る。 データ収集方法の多様化: フィールドワークの実施が難しい場合に備え、オンラインインタビュー、アンケート、リモート参与観察など、さまざまな方法を組み合わせることでデータの質と量を確保する。 技術的インフラの強化: オンラインでのデータ収集と分析のための技術的インフラを整備し、研究チームが効率的に作業できる環境を構築する。 柔軟なプロジェクト管理: 状況に応じて研究計画を迅速に調整できるよう、柔軟性を持たせたプロジェクト管理体制を確立する。 リスク管理の強化: 継続的なリスク評価を行い、予期せぬ事態に備えるための対策を計画的に実施する。 これらの方策を実施することで、COVID-19の影響下でも研究の進捗と質をできる限り確保したい。
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Research Products
(11 results)