2022 Fiscal Year Annual Research Report
越後縄文人の食性変化と多雪化の関係を明らかにする研究
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20H01344
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 邦夫 東京大学, 総合研究博物館, 特招研究員 (10272527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能城 修一 明治大学, 黒曜石研究センター, センター員 (30343792)
卜部 厚志 新潟大学, 災害・復興科学研究所, 教授 (20281173)
植月 学 帝京大学, 付置研究所, 准教授 (00308149)
阿部 昭典 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (20710354)
宮尾 亨 新潟県立歴史博物館, その他部局等, 研究員 (90245655)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 古食性分析 / 縄文土器 / 脂質分析 / 年代測定 / 土器付着炭化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
縄文時代早期から前期にかけて、温暖化が頂点に達し、越後では多雪化が起きていた。この時期、越後人の食性が変化している可能性が浮上した。本研究では、この画期に、生業がどのように変化したのかを、食性(調理物)によって読み解くのが、主な目的である。 本研究課題は、2020年4月に採択された。折しも新型コロナウイルス感染症の流行が始まり、4月には緊急事態措置が実施され、移動が制限されることになった。 初年度の2020年度は、当該期の出土土器を現地で調査し、煮炊き食材のおこげが土器に付着し、充分量の炭化物を採取できる資料を探索、リスト化し、炭化物の採取を行う計画であった。緊急事態措置による移動制限のため、この作業を行うことが出来なかった。2020年度は、コロナ渦前に採取した縄文時代早期の土器資料を分析した。 令和3年度(2021年度)も、新型コロナウイルス感染症の流行が続き、当該期の土器調査を行うことが出来なかった。そのため、これまでに取得した分析結果を整理し、全体像を明らかにするために必要な情報を確認することに努めた。2022年度は、採取できた資料について、測定・分析を行った。本研究課題の対象地域・時代ではないが、縄文時代後期東北地方の環状列石遺跡(縄文時代後期)の食性に関する興味深い分析結果を得た。 また、2022年5月にZoomによる全体会議を開催し、現状の到達点を確認し、今後の取り組みについて意思疎通を図ることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究課題が採択された直後に、コロナ渦により緊急事態宣言が発出され、移動が制限されることになった。2年以上にわたって、資料を探索し、分析資料を採取する調査活動が厳しく制限され、分析をおこなうことが出来なかった。研究機関によっては、緊急事態措置が解除された後も、研究交流が制限され、都県を越えた移動が出来ない状況が続いた。このため、分析する資料を取得できず、研究は著しく遅れている。 さらに、2022年9月には、測定分析機器の不具合が発生して、分析の遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
東京大学でも、2023年5月8日に活動指針レベルがSとなり、通常の教育研究体制に戻ることになった。今後は、研究代表者、研究分担者、研究協力者が創意工夫をこらして、研究目標を達成するように努めなくてはならない。 研究代表者、および分担者の一部は、配分金の一部または全部を繰り越している。2023年度は最終年度に当たるため、研究計画を精査して、研究課題を達成できるように調整する必要がある。
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