2020 Fiscal Year Annual Research Report
ネクロポリス・テーベにおける岩窟墓のライフ・ヒストリー的研究
Project/Area Number |
20H01352
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
近藤 二郎 早稲田大学, 文学学術院, 名誉教授 (70186849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 望 金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (00460056)
高橋 寿光 東日本国際大学, エジプト考古学研究所, 客員教授 (30506332)
柏木 裕之 東日本国際大学, エジプト考古学研究所, 客員教授 (60277762)
前川 佳文 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化遺産国際協力センター, 研究員 (80650837)
馬場 悠男 独立行政法人国立科学博物館, その他部局等, 名誉研究員 (90049221)
阿部 善也 東京電機大学, 工学研究科, 助教 (90635864)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エジプト / ネクロポリス・テーベ / 岩窟墓 / エジプト新王国時代 / 葬送用コーン / 被葬者の称号 / 被葬者の名前 / 被葬者の家族 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年3月以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、所属大学では海外出張が許可されない状態が続き、これまでも研究を継続してきたエジプト・アラブ共和国における現地調査を実施することができなかった。そのため2020年12月にルクソール西岸のアル=コーカ地区における発掘調査を中止せざるを得ない状態であった。本研究は現地における発掘調査によって得られるデータをもとにしてネクロポリス・テーベの新王国時代の墓域がどのように形成されていったかをアル=コーカ地区の発掘調査を実施することで明らかにしていくため、2020年度の研究費の大部分を繰越として、2021年度の発掘調査に使用することとした。 現地における発掘調査が不可能になったことで、これまでの発掘調査によって得られた遺物の整理・研究を実施した。特に、2020年度はアル=コーカ地区で出土した葬送用コーンに関して詳細なデータベースを作成するとともに、葬送用コーンの碑文の未解読部分の解読の試みなどを実施した。また、関連書籍を購入することで、次年度の調査のための準備をおこなった。 各研究分担者ごとに次回の調査に関して問題点を挙げるとともにそのための準備として、機材のチェックや課題リストの作成をおこなった。 また最終報告書の刊行にむけての準備として、報告書の体裁や目次、項目、執筆者の選定、報告用の図版、写真などのリストを作成した。 アル=コーカ地区に存在する岩窟墓の平面図及び断面図の作成を実施した。アル=コーカ地区に存在する岩窟墓の基礎的データの再整理を実施した。内容としては、被葬者の時代、称号、家族関係、岩窟墓のタイプ、規模、壁画の有無、関連する葬送用コーン、出土遺物などの項目設定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響のため、当初から計画していたエジプト・アラブ共和国のルクソール市西岸に位置するアル=コーカ地区での発掘調査が実施されなかったため。また、国内における研究出張も許可が下りず、発掘機材の点検なども不十分におわった。 エジプトでの発掘調査ができなくなったために、これまでの調査資料の整理研究を実施した。現地調査が出来なかったために研究の進捗状況は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に計画していたエジプト・アラブ共和国における調査研究を実施出来なかったため2021年度に2020年度分も含めて発掘調査を実施するための準備をおこなった。新型コロナウイルスの感染拡大という、これまで経験したことのない状況があるため、2021年度においても、エジプト現地における発掘調査が実施できない場合も想定して、現地調査以外のプランも考慮しながら準備していく。ただし、本研究においては、これまでの発掘調査から得られたデータを背景に、新たな現地調査を実施することで問題点をより明確にしていくことが重要であるため、現地調査の実施によって研究を推進していきたい。
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