2022 Fiscal Year Annual Research Report
調停機関運営の社会実装を通じた現代型調停の展開を支援する相互行為論的法社会学
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20H01417
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
北村 隆憲 東海大学, 法学部, 客員教授 (00234279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 健一 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (20283856)
入江 秀晃 九州大学, 法学研究院, 教授 (50600029)
仁木 恒夫 大阪大学, 大学院法学研究科, 教授 (80284470)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 調停 / メディエーション / 相互行為 / 相互行為分析 / エスノメソドロジー / 会話分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,①調停相互行為を直接分析してその動態のメカニズムと構造を可視化し,②その分析知見を調停の実践的な教育及びトレーニング技法の開発と評価に結びつけることにより,現代型調停の学術的理解と実践の発展に貢献することにある. 各地の弁護士・司法書士に協力のもとに関連研究者による報告研究会を複数回開催して,最先端の調停についての議論を共有した.データ収集,分析を実施し、本格的な分析段階に至るための研究会を実施した.分析知見を訓練プログラム・教材開発へとつなげる試みを行なった.また,予備的に開発された訓練プログラムの一部について論稿を発表した。また,その方法論を実際の調停研修やワークショップなどに組み入れて実施した。また,同一の事案に即して,対面の模擬調停の実施の計画と準備を行い,それに基づいて実際に模擬調停を6件実施し,すべての相互行為をビデオ録画して,複数回の分析セッションを実施した。さらに,弁護士等実務家や民間調停者とのデータの振り返りと検討を実施した。こうした研究にもとづき,調停の相互行為の実際を分析的に解明するとともに,これらをより良い実践に応用する可能性を提示することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は,実際の対面調停を実施してビデオ録画し,調停のコミュニケーション構造の分析を実務家と協働的に実施した。さらに,それに基づく調停教育学習の新手法を確立するために,関連研究者による報告研究会を複数回開催して,最先端の調停についての議論を共有を試みた.さらに多くの模擬調停の実施を試みたが,実務家組織との調整が難航したこともあり,模擬調停実施の件数は増やすことができなかったことと,すでに取得したデータの分析が,実務家との共同セッションのスケジュールとの関係で調整が難航したことから,研究上若干の遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,ここまでに基盤を構築した調停研究の方針と手法,模擬調停のビデオデータ及びデータの共同セッションの内容を踏まえて,分析を深化させるとともに,それらの知見に基づいた調停教育・学習の新手法を開発をさらに進展させる.
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