2020 Fiscal Year Annual Research Report
国際法の形成における太平洋島嶼国の限界と可能性-日本の支援政策転換を目指して
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20H01426
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
加々美 康彦 中部大学, 国際関係学部, 教授 (30449889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富岡 仁 名古屋経済大学, 人間生活科学部管理栄養学科, 教授 (00126880)
都留 康子 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (30292999)
河 錬洙 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50435989)
吉原 司 姫路獨協大学, 人間社会学群, 准教授 (60510071)
高村 ゆかり 東京大学, 未来ビジョン研究センター, 教授 (70303518)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 太平洋島嶼国 / 国際法 / 海洋法 / 気候変動 / 海底鉱物資源 / 境界画定 / 漁業 / 生物多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、コロナ禍の影響を受けて、研究計画において予定していた海外の研究組織との共同研究や海外調査訪問等は計画通りに進めることができなかった。それでも、研究計画で予定していた個々のテーマについての検討は進めることができた。とりわけ、国内研究会は、zoomを使用してではあるが計画通り2回実施することができ、そのうち1回は学会予備報告とすることができた。その成果の一部は、太平洋諸島学会(第3回オンライン研究会)にて公表した。これは本研究代表者による「太平洋諸島の海洋政策―資源開発と環境保護の新動向」と題するシンポジウム企画が採用されたものであり、研究代表者・分担者の一部がここで研究報告を行った(その意味で、研究計画の2年次に予定していたことを1年次に前倒しした形になる)。そこで扱われたテーマは、海洋境界画定と地域漁業政策であり、それぞれキリバスとパラオの政策と日本のとるべき政策について検討を加えたものである。 その他にも、今年度は多数の論文を発表することができた。とりわけ、2020年11月に刊行された『現代国際法の潮流I』においては複数の共同研究者が関係業績を発表している。そこで扱われたテーマは、国家管轄権外の生物多様性(BBNJ)、島嶼(国)の国家実行、そして地域的漁業機関の取組である。また、SDGsと海洋政策、気候変動問題とエネルギーの関係を通じて日本の外交政策を検証する業績も発表している。 当初の研究計画に予定していた韓国海洋科学技術研究所(KIOST)との共同研究会を開催することは叶わなかったが、本研究計画2年次に、オンラインで共同研究会を実施する方向で調整を始めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響を受け、韓国海洋科学技術研究所(KIOST)との間で予定していた共同研究会は実現できず、また本研究事業が主な研究対象としている太平洋島嶼国への現地調査は、太平洋島嶼国が極めて厳格な入国規制を行っているために実現することはできなかった。おそらくこの太平洋島嶼国による厳格な入国規制は来年度以降もしばらく継続することが予想される。以上が、やや遅れているとする理由である。他方で、現地調査などを要しない文献調査の側面では、通常通り進行している。むしろ、1年次に太平洋諸島学会で研究企画が採用され学会発表にこぎ着けたという点では、やや進んでいるとも言える。
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Strategy for Future Research Activity |
文献調査については引き続き継続していくこととする。しかしながら、太平洋島嶼国への現地調査は、本研究事業の期間中に再開できる可能は極めて低いであろう。今年度は、社会情勢を見極めつつ、可能な代替手段を検討していきたい。とりわけ、太平洋島嶼国にパイプを持つ外部研究協力者等の助言をあおぎつつ、太平洋島嶼国の立法政策担当者とのオンライン・インタビューなどを実施することができないか検討していきたい。
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Research Products
(22 results)