2020 Fiscal Year Annual Research Report
Reconstruction of effective labor law system coping with the diversified employees and employers
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20H01428
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒木 尚志 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (60175966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 奈月 明治学院大学, 法学部, 准教授 (20632243)
神吉 知郁子 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 准教授 (60608561)
土岐 将仁 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (60707496)
朴 孝淑 神奈川大学, 法学部, 准教授 (70602952)
成田 史子 弘前大学, 人文社会科学部, 講師 (90634717)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 労働者 / 使用者 / 雇用類似就業者 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、第1に、本プロジェクトの基本的分析視角である4つのアプローチ、すなわち、1)労働者概念拡張アプローチ(雇用類似の働き方をする者にも労働者概念を拡張して労働者の範疇に含め、労働法を適用する立場)、2)中間概念導入アプローチ(労働者と独立自営業者の間に「労働者類似の者」「従属的自営業者」等の中間概念を導入し、部分的に労働法を拡張適用する立場)、3)制度対処アプローチ(労働者概念を拡張するのではなく、これらの者に必要な保護を提供するための特別の制度を導入して対処する立場)、4)労働法以外の法規制やハードロー以外の諸施策によるアプローチ(経済法・社会保障法・税法等、他の法体系による対処や、CSR(企業の社会的責任)や市場における評判のメカニズムの活用等)、について、研究代表者・分担者全員で、認識を共有する作業を行った。第2に、①労働者概念の変容・多様化について、比較検討国における状況をフォローした。 第3に、②使用者概念の変容・多様化について、比較対象国における現状について検討を行った。第4に、労働者・使用者についての労働法システムの変化を越えた対応として、諸外国における隣接法分野(経済法、社会保障法、税法、会社法、倒産法、国際法等)における状況を把握する作業に努めた。 また、日本法について、上記問題意識に基づき、関連する裁判例の検討、体系的な分析を行い、相当数の論文・体系書等に反映し、公刊することができた。
令和3年度は、上記の諸視点に基づき諸外国における隣接法分野の展開をフォローすると共に、2021年3月に発出されたフリーランス・ガイドラインも踏まえて、日本法としての対応について検討を行った。その一部は2022年6月に公刊予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍のために、海外の現地調査は実施できなかったが、予定していた文献研究等は実施でき、概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の基本視角の妥当性をこの間の検討を踏まえて再検証する。併せて、コロナ禍によって大きく働き方が変化しつつある事を踏まえ、新たに生じている法的課題も取り込みながら検討を深化させる。特にIプラットフォームワーカーについての諸外国の裁判所の判断や新立法の展開を踏まえて、日本における政策的対応の在り方を検討する。
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Research Products
(33 results)