2020 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical and Empirical Review of Japanese Politics after the Reform of the Political System
Project/Area Number |
20H01453
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
野中 尚人 学習院大学, 法学部, 教授 (90264697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 将紀 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (60251435)
高安 健将 成蹊大学, 法学部, 教授 (90399783)
濱本 真輔 大阪大学, 法学研究科, 准教授 (20625850)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 政治改革 / 国会 / 半議院内閣制 / 代表制 / 地方政党 / 選挙制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、政治制度改革後の日本政治について、政権交代論とその背景にある一党優位制論の掘り下げた再検討と「半議院内閣制」という新しい民主主義のモデルを用いた分析を組み合わせることによって、その特質を総合的に解明することである。 第1に、政権交代が起きにくいという状況を改めて定量的に再評価した上で、従来の一党優位制論を多面的に掘り下げて検討する。新しい多層的な政権交代論である。第2に、執政リーダーシップの制度強化にも拘わらず、ポスト小泉の12年間に、内閣が不安定だった前半6年間と、安倍一強とも言われた後半の6年間が混在したのは何故かを「半議院内閣制」論を援用しつつ明らかにする。 こうした研究を具体化するためには、データの整備が重要であるが、第1年度には、コロナに起因したいくつかの難しさがあったため、当初の予定通りは進まなかった面もあった。例えば野中は、「拡大された国会政治」の成立過程を実証的に検討するために必要と考えられるデータセットの整備を開始する予定であったが、それが第2年度にずれ込んだ。 コロナの影響で、対面型の研究会は開催できなかったが、Zoomによる研究会合は、5月、7月、10月、12月、2月に合計5回実施した。また、可能な範囲で、日常的な意見交換の機会を持つように努めた。野中、谷口、高安から考え方の整理が示され、今後に向けた論点整理を進めた。また、濱本は、地方政党組織、政治資金に関わる実証研究に向けたデータ整備の進捗について報告があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全般的に検討は進んでいるが、コロナの影響で、データ整備の面で少し出遅れた面がある。
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Strategy for Future Research Activity |
既に、野中、谷口、高安から考え方の整理が示されたので、濱本から同様な報告をもらい、現状認識や論点整理をさらに進める。その上で、次のラウンドでは理論的な展望を踏まえた研究の具体的な構想について、検討を具体化させることを心がける。 コロナの状況が沈静化する場合には、夏以降に、合宿型の研究会を開催することも選択肢として検討する。他方で、第1年度の経験から、Zoomによる研究会も相当に機能することが分かったので、当然その活用も図る。 また、当初の計画にある通り、海外からの研究者の招へいについても検討する。ただし、これについては、やや展望は不確定なので、環境変化に応じて現実的な対応を模索する。 データの整備についても、やや遅れた面を取り戻すよう、精力的に取り組む。
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