2020 Fiscal Year Annual Research Report
日本の保守政党における政務調査会の政治学的・歴史学的研究ー明治から平成まで
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20H01455
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
奥 健太郎 東海大学, 政治経済学部, 教授 (10512634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱本 真輔 大阪大学, 法学研究科, 准教授 (20625850)
石間 英雄 京都大学, 法学研究科, 准教授 (30866786)
手塚 雄太 國學院大學, 文学部, 准教授 (60802767)
清水 唯一朗 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 教授 (70361673)
小宮 京 青山学院大学, 文学部, 教授 (80451764)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 政務調査会 / 政友会 / 自民党 / 院内政党 / 政党規律 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究チームは10名の研究者(研究分担者、研究協力者)から構成されるが、研究領域から戦前班と戦後班に分けることができる。 チーム全体の活動しては、年2回のオンラインで研究会を行った。1回目の会合では、まず3年間の研究の最終的なゴール(論文集刊行)とその道筋について意見交換を重ねた。それとともに、メンバーの個々の研究計画、研究経過を報告し、今後にむけての検討課題が話し合われた。第2回目の会合では、主として戦前班のメンバーの研究報告が行われた。 戦前班の研究実績としては、末木が大同倶楽部・自由党の政調会、清水が大正期政友会の政調会、手塚が昭和期政友会の政調会、黒澤が帝国議会開設前の国政議会について、ベースとなる史実の確定と、研究状況の整理を行った。 戦後班の研究実績としては、奥と濱本は『衆議院公報』の「広告欄」(1945~2019)の収集をほぼ完了させた。このうち奥は1945年から70年代にかけてデータのクリーニング作業を行うとともに、データ入手作業を開始した。笹部は中国地方開発促進協議会に関する史料収集を行ったほか、石間は海外(英、豪)の政党組織の理論的検討、小宮は戦後保守政党の総務会、岡崎は国会改革史を整理しながら、自民党政調会研究との接点を探った。 それ以外の活動としては、政調会関係者、国会対策関係者からのインタビューをコロナ感染症の緊急事態宣言の間隙をぬって行った。 なお、本研究と密接にかかわる研究として、この研究会のメンバーの約半数が参加した小泉内閣期の政調会の共同研究がある。「官邸主導」と呼ばれた時代の政策決定過程を分析からは、本研究を進める上での重要なヒントを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染症問題により、研究チーム全体を通じて、研究が停滞した感は否めなかった。まず出張が制限されたことにより、資料収集が思うようにならなかった。特に海外出張、関西から関東への出張は、当初の想定から全く異なるものとなった。またインタビューの申し込みも行うこと自体躊躇される状況であった。 そうした中でも、戦前・戦後の『衆議院公報』のデータの入力作業は、アルバイトや外部業者を使って着実に進めることができた。また出張が出来なくなった分、過去・海外の研究状況を綿密にレビューする余裕が生まれた。さらに本研究は政調会長経験者旧蔵資料の悉皆調査を行うこととしているが、その調査のための遺族の連絡先調査は一定程度進んだ。 研究会も当初の想定と異なり、オンラインで行わざるをえなかった。対面での研究会に比して、交換できる情報の量と質はやや制約されたが、個々の真摯な研究活動を知るにつれ、チーム内の信頼感が醸成された。また最終的なゴールのイメージも共有することができ、翌年度の活動にむけてはずみがついた。
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Strategy for Future Research Activity |
まずチーム全体として方策を列記すると、①前年に引き続き、研究会を引き続き年2回以上行う。②『衆議院公報』のデータ入力を外部業者等を使って行い、完了次第、会議体や政策分野等についてコーディングを行い、分析の土台を構築する。③政調会長遺族への旧蔵資料の問い合わせを行う。 各メンバーの推進方策を概括的にいえば、①資(史)料収集を引き続き行う。近年、遠隔での複写複写、オンラインでのデータ入手の仕組みも発展してきたので、コロナ渦にあっても、基本的な資料収集は実行可能である。②とはいえ、国内・海外への出張が制約されることが予想されるため、前年に引き続き、既存研究の慎重な読み込み、海外の研究動向の把握を幅広く行い、理論的な説明を洗練させる準備を整える。③インタビュー記録の公開(科研費報告書として)に向けて、編集作業を進める。④すでに撮影した史料(地方の公文書館)もあるので、引き続き分析を進める。
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Research Products
(2 results)