2021 Fiscal Year Annual Research Report
Election Cycle and Yardstick Competition
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20H01511
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邉 安虎 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (60866250)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 選挙サイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では外生的な理由でばらつきのある日本の市区町村首長選挙のタイミングを操作変数として用いることで、ヤードスティック競争が選挙支出サイクルを増幅し地理的に無償化の拡大を加速させた因果効果を検証する。具体的には子供医療費無償化政策について、その地理的波及と選挙のタイミングが及ぼす影響を市区町村レベルのデータを用いて検証する。子供医療費無償化の対象年齢に関する意思決定が、各市区町村の選挙のタイミング及びその隣接市区町村の対象年齢の両者からどのように影響を受けているかについて、2005年以降のデータを用いて解析し、選挙という要因がなかった場合どの程度無料化が広がっていたかを検証する。 本年度は前年度に整備を行ったデータ及び前年度進めた計量経済学的な推定のための識別戦略に基づいて、データの解析を本格的に行った。また、その遂行にあたり、モデルの推定の補助を行うためのリサーチアシスタントの雇用を早急に進めた。なお、本年度の前半に計画をしていたモデルの推定については、前年度に検討を重ねた計量経済学的な分析フレームワークを用いて分析を進め、一時的な結果を得るとともに、その結果の頑健性について様々な試行を行うことができた。この様々な試行を行う部分に、雇用したリサーチアシスタントによる研究補助を中心的に活用した。本年度後半は前半に得られた結果をある程度まとめながら、学会やワークショップ・セミナー等で発表をしつつ論文の第一稿の完成を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要欄に記したように、本年度計画をしていた通りにデータの解析を本格的に行うことができ、また、前年度に検討を重ねた計量経済学的な分析フレームワークを用いて分析を進め、一時的な結果を得るとともに、その結果の頑健性について、様々な試行を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
前述した目的を達成するために、今後も引き続き本格的なデータの解析を行うこととする。 そのためには、これまでに行ってきたように引き続きリサーチアシスタントの雇用を進めていく。リサーチアシスタントによる研究補助により、これまでに方向性が確定した計量経済学的な分析フレームワークを用いて分析を進めていき、それにより得た結果の頑健性について様々な試行を行うこととする。リサーチアシスタントの雇用にあたっては、研究代表者と研究協力者のこれまでのリサーチアシスタント雇用の経験を十分に活かし、広く採用を行い、また活用していくことを予定としている。 また、本年度と同様にこれまでに得られた結果をある程度まとめながら、学会やワークショップ・セミナー等で発表をしつつ、論文を完成させるよう進めていく。
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Remarks |
経済セミナー「実証ビジネス・エコノミクス」2021年4・5月号から 行動経済学会ヤフー株式会社コマースカンパニー金融統括本部優秀論文賞受賞(Do Risk Preferences Change? Evidence from the Great East Japan Earthquake by Chie Hanaoka, Hitoshi Shigeoka, and Yasutora Watanabe)
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Research Products
(13 results)