2020 Fiscal Year Annual Research Report
介護保険制度下における介護サービスの供給構造に関する研究
Project/Area Number |
20H01514
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中村 二朗 日本大学, 総合科学研究所, 客員教授 (30127112)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 孝子 兵庫県立大学, 経営研究科, 教授 (20300923)
高橋 雅生 一橋大学, 社会科学高等研究院, 特任助教 (20864599)
菅原 慎矢 東京理科大学, 経営学部ビジネスエコノミクス学科, 准教授 (30711379)
神林 龍 一橋大学, 経済研究所, 教授 (40326004)
石原 庸博 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (60609072)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 介護サービス / 介護現場 / 効率性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主要な目的は介護サービスの供給側に焦点を当て、現状の介護保険制度下で法人や事業所単位で見た場合に、その効率性に差異をもたらしている要因について分析することであった。その際に重要な分析用具として2点に注目した。一つは既存の政府統計のマイクロデータによる詳細な計量分析による要因の解明である。 もう一つは介護現場、特に供給サイド、に関する聞き取り調査の実施である。これまでの研究から同じような介護施設であったとしても入居者への対応など扱いに違いがあることが確認されており、どのような違いが組織全体とそして効率性に影響を与えているのか、介護現場で働く人たちに聞き取りをすることで解明することを試みようとした。 以上の二つの分析を相互に関連させることにより供給サイドから見た介護サービスの効率性を分析することが主目的であった。しかしながら、コロナ禍により政府統計のマイクロデータの入手は当初の予想より1年近く遅れることになり当該年度にはデータクリーニングなどのデータを分析として利用可能にするための準備的作業しかできなかった。 2点目の聞き取り調査についても対象が介護現場であるため新型コロナの感染が収まるまでは見送らなければならないような状況であった。 当該年度は上記のような理由により本来目的とした分析を行うことが困難となり、コロナ禍が収まり次第、本格的な分析に着手できるように間接的な準備作業に多くの時間を費やすことにした。結果として,聞き取り調査などに充当する予定であった予算の多くを未使用として繰り越すことにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
主な理由は新型コロナ禍による(1)政府統計の入手の遅れと(2)聞き取り調査が介護現場を想定していたためコロナ禍により不可能となった、の2点である。 (1)についてはデータが利用可能になるまで予定より10ヶ月ほど遅れたが、その後の作業は順調に行われている。 (2)については新型コロナが何時収束するか不確かなため(1)の進捗状況にあわせて介護現場だけでなく保険者などの聞き取り調査が可能かどうか模索している段階である。
|
Strategy for Future Research Activity |
政府統計のマイクロデータを用いた計量的な分析についてはデータ入手後については当初の計画通り進めている。 聞き取り調査については、関係団体等にも聞き取り調査の可能性について問い合わせているが現状では不確定要素が多く介護現場での聞き取りは難しいと判断している。代わりに都道府県の担当者や基礎自治体(保険者)の担当者などに聞き取り調査の対象を移すことも含めて検討している。
|