2020 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on the Conceptual Framework for Financial Statements Audit
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20H01560
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
林 隆敏 関西学院大学, 商学部, 教授 (50268512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 慎太郎 東北公益文科大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10790868)
瀧 博 立命館大学, 経営学部, 教授 (20292138)
松本 祥尚 関西大学, 会計研究科, 教授 (30219521)
町田 祥弘 青山学院大学, 会計プロフェッション研究科, 教授 (50267431)
前山 政之 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (50282968)
小澤 康裕 立教大学, 経済学部, 准教授 (50362819)
永見 尊 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (60275774)
堀古 秀徳 大阪産業大学, 経営学部, 講師 (70755818)
福川 裕徳 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (80315217)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 財務諸表監査 / 概念フレームワーク / 基礎概念 / 会計監査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、財務諸表監査の理論研究、監査基準を初めとする監査規範の形成、社会制度としての財務諸表監査の制度設計等にあたって参照枠組みとなりうる財務諸表監査の概念フレームワークを構築することである。 この目的を達成するために、研究初年度である2020年度には、(1)基礎となる前提・概念の洗い出しと確定を行い、(2)研究代表者及び研究分担者個々人が基礎となる前提・概念の研究に取り組み、原稿を執筆し、その原稿に他のメンバー全員が関与して意見交換を繰り返すことにより議論を深め、研究課題に関する全員の理解を深めるという作業を行った。 現時点での個別の研究領域(基礎となる前提・概念)は以下のとおりである。 <総論>監査の定義と目的、監査公準、監査の機能 <主体論>正当注意と懐疑心、 独立性、倫理・公正性 <実施論>監査命題、監査証拠、監査手続・技術、監査計画、監査調書・査閲、合理的な保証、監査リスク、重要性 <報告論>監査報告書の性質、監査意見、監査意見以外の監査報告書記載事項 また、具体的な作業内容は、基礎となる前提の意義及び概念の定義の明確化を目標として、(1)洗い出した前提・概念を巡る表記や意味合いの変遷及びその理論的・制度的背景を明らかにし、(2)当該前提・概念に関係する既存研究を棚卸し、学説研究を行い、(3)少数意見にも言及しつつ、当該前提の意義及び概念の定義を確定すること、および(4)用語の表記(日本語・英語)の揺らぎや翻訳上の問題点を整理することである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染症の影響により、特に2020年度前半は、図書館の利用が制限されたり、遠隔会議システム等を利用した授業の準備に忙殺されるなど、研究代表者及び研究分担者の作業に遅延が生じた。本研究の目的を達成するためには文献研究が重要であるため、図書館の利用制限の影響は大きい。 また、2020年度全体を通じて対面方式での研究会開催が困難であり、結果としてすべての研究会を遠隔会議システムを利用して実施した。研究代表者及び研究分担者の居住地は東北、関東及び関西に分散しているため、遠隔会議システムの利用により移動時間の制約から解放されるという利点がある一方で、10名による意見交換は、対面方式と較べて遠隔方式には制約が多い。 このような理由から、研究代表者及び研究分担者個々人による前提・概念の研究及び全体での意見交換と理解の共有について、当初計画よりも若干の遅れが生じた。 なお、本研究課題は、日本会計研究学会に設置されたスタディ・グループ「財務諸表監査の基礎概念に関する研究」(主査:林隆敏、当初設置期間は2018年9月~2020年9月)による研究課題を発展的に究明するものであるが、2020年9月に開催された研究大会において予定されていた最終報告は諸般の事情を鑑みて1年延期され、2021年9月開催予定の研究大会において報告することとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者及び研究分担者はコロナ環境下での研究活動に慣れてきたので、2020年度第四四半期から研究会の開催回数を増やし、研究報告と意見交換を精力的に行っている。 2021年度は、2020年度の遅れを早期に取り戻し、当初計画通りに、基礎となる前提・概念の洗い出しと確定作業を完了させ、監査理論における当該前提・概念の位置づけ、および他の前提・概念との関連づけを究明する。2021年9月開催予定の日本会計研究学会研究大会における報告後は、本研究の目的である財務諸表監査の概念フレームワークの構築に取りかかりたい。
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Research Products
(11 results)