2023 Fiscal Year Annual Research Report
「社会意識の分断」に着目した政治行動の計量的解明と新たな政治社会学モデルの構築
Project/Area Number |
20H01588
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
金澤 悠介 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (60572196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 治也 関西大学, 法学部, 教授 (30420657)
橋本 努 北海道大学, 経済学研究院, 教授 (40281779)
吉田 徹 同志社大学, 政策学部, 教授 (60431300)
富永 京子 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (70750008)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 社会意識 / 政治社会学 / 投票行動 / 市民参加 / 潜在クラス分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、代表性の高いデータセットを用いて、現代日本人の間に潜在する社会意識の分断をデータ内在的に解明するとともに、それと人々の政治行動の対応関係を経験的に明らかにすることである。2023年度は、2022年から繰り越した予算をもとに「政治意識と環境意識についてのweb調査」を実施するともに、2020年度から2023年度まで実施してきたweb調査の知見を総合することで、現代日本における政治意識のありかたがもたらす政治的帰結を検討した。 「政治意識と環境意識についてのweb調査」では、2024年2月に20~79歳の男女9000名を対象に、政治意識、福祉政策についての選好に加えて、地球温暖化対策や持続可能な成長についての意識を調査した。そして、政治意識と地球温暖化対策や持続可能な成長についての意識の関係について統計的に検討した。 2020年度から2023年度までに実施してきた一連のweb調査の知見を検討したところ、以下のような結論が得られた。第一に、福祉政策への選好を軸に人々の政治意識を測定した上で、潜在クラス分析という統計分析を用いて、人々の政治意識のありかたを類型化したところ、従来の「保守-リベラル」という観点からは十分に捉えることができない「政治意識の分断」が見出された。ここでは、福祉国家の是非をめぐる従来の「リベラル-保守」の対立軸に加え、福祉国家のありかたについての新しい対立軸も見出された。この新たな対立軸は、近年の福祉国家の変容によって新たに生じたものとして、政治理論的にも興味深いものといえる。第二に、上記の分析の結果として解明された「政治意識の分断」と回答者の投票行動の間には明確な対応関係があることも明らかになった。第三に、「政治意識の分断」が市民参加の領域においても分断をもたらしていることが明らかになった。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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