2021 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本における「大学生の学習行動」に関する総合的研究
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20H01647
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
濱中 淳子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (00361600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 文 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10221475)
山内 乾史 神戸大学, 大学教育推進機構, 教授 (20240070)
葛城 浩一 香川大学, 大学教育基盤センター, 准教授 (40423363)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 学習時間 / 大学生 / 高等教育改革 / キャリア教育 / リカレント教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
学生の学習行動の構造を読み解くという課題を設定する本研究では、「インタビュー調査」と「質問紙調査」からなる【大学生調査パート】、「国際調査」を担う【国際比較パート】の二つを柱に設定し、総合的な分析ならびに考察を展開したいと考えていた。しかしながら新型コロナウイルス感染症の関係で計画の変更を余儀なくされた。結果として2021年度は、次の活動を行った。 【大学生調査パート】については、2020年度はひとつの大学の学生を対象にしたインタビュー調査に注力した。質問紙調査の実施が難しかったからだが、インタビューからは、当初予想していた以上の手応えがあった。そこで2021年春に【大学生調査パート】の内容をインタビュー調査に据えるよう方針を転換し、以降、多様な機関の社会科学系学生へのインタビュー調査を展開した。2021年度は、選抜性の側面でばらつきがでるよう3つの大学を選び、それぞれの学生にひとりあたり2~4時間ほどの聞き取りを行った。大学入学以前や大学・学部選び、大学進学以降の生活、大学教育に対する意見、といった点について語ってもらう半構造化インタビューである。2021年度は20人強に聞き取りを行い、収集したデータについては、分析をはじめている。 【国際比較パート】では、2021年度も国際調査を断念した。国際調査用の予算は2022年度に繰り越すことにし、2021年度は、延期した国際調査について、対象や調査の内容についての議論を行った。そして2022年度、米国訪問調査を行った。具体的には、2022年12月にカリフォルニア大学バークレー校に訪問し、Center for Studies in Higher Educationのスタッフに国際的学生調査SERUのことを聞き取りし、さらにバークレー校の教員ならびに学生に対し、ふだんの授業の状況に関するインタビュー調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、当初の予定の一部に限定するかたちで進めたインタビュー調査だったが、調査からは、期待以上の知見を見出すことできた。具体的には、高校時代までの経験がどのように大学生活に影響しているのかという点についての深い語りや、機関による多様性が浮き彫りになった。また、外国調査は、予定から遅れたが、2022年度に米国調査を無事に行うことができたため、トータルとして順調に進展したと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
収集したインタビュー調査データについては、すでに分析を始めているが、今後は、(1)対象者をさらに広げてインタビュー調査を継続し、そのデータを加えながらさらなる分析を行う、(2)米国調査データを整理し、分析する、の2つを軸に進めていく予定である。
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