2020 Fiscal Year Annual Research Report
健康管理に特別な配慮を必要とする子どもの教育的支援に関する地域連携モデルの構築
Project/Area Number |
20H01706
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
大庭 重治 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (10194276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葉石 光一 埼玉大学, 教育学部, 教授 (50298402)
笠原 芳隆 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (60293271)
八島 猛 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (00590358)
佐藤 将朗 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (30352561)
坂口 嘉菜 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 助教 (40814067)
上野 光博 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (90260546)
留目 宏美 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (20516918)
池川 茂樹 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (30611339)
境原 三津夫 新潟県立看護大学, 看護学部, 教授 (30332464)
大久保 明子 新潟県立看護大学, 看護学部, 教授 (70279850)
高柳 智子 新潟県立看護大学, 看護学部, 教授 (90313759)
永吉 雅人 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (70426542)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 健康管理 / 特別な配慮 / 児童生徒 / 養護教諭 / 学級担任 / 教育的支援 / 地域連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,健康管理に特別な配慮・支援を必要とする子どもたちへの教育的支援の充実に向け,地域にある教育や看護等に関する研究シーズを共有化し,有効活用していくための地域連携モデルを提案することである。そのため,年度毎に設定したテーマに沿って地域を対象とした調査研究を実施することとしており,令和2年度は対象とする子どもに関わる養護教諭と学級担任を主な対象として調査を実施した。 養護教諭を対象として,貧困状態にある子ども,メンタルヘルス上の問題を抱える子ども,化学物質に過敏な子どもに対する支援の状況について質問紙調査を実施した。さらに,医療機関との連携を必要とする子どもの健康課題を詳細に把握するために,小・中・高校の養護教諭に対して一部インタビュー調査も実施した。また,入院や通院により治療を受けている病気療養児が在籍するまたは在籍した学級の担任を対象として,合理的配慮の提供に関する質問紙調査を実施した。 これらの研究に関連して,パイロット的に実施した健康管理に関する調査研究の結果を,本研究における新たな視点の基に分析・整理し,論文として公表した。また,学校が連携する学校医の現状と,健康相談や保健指導を依頼したい専門の相談医や校医の活用に関する今後の展望について,論説を公表した。 令和2年度に実施した各調査は,健康管理に特別な配慮・支援を必要とする子どもたちと日常的に接触する「学校スタッフ」を対象とした調査である。これらの調査結果を,令和3年度以降に実施を予定している児童生徒自身やその保護者を対象とする「支援を受ける側」からみた調査の結果とつき合わせることにより,今後の学校内での連携のあり方の検討,学校を支援する地域の研究機関のあり方の検討に資することができる。また,本研究における一連の調査は,COVID-19感染拡大直後の学校現場の状況を明らかにすることにも貢献できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度に予定していた調査は概ね順調に実施することができた。なお,令和2年度は本研究の初年度であったことや,COVID-19感染拡大により調査対象となった学校等との調整に時間を要したことなどの影響を受け,調査時期が年度後半に集中したため,これらの調査に関する詳細な分析や論文等による成果の公表については,令和3年度以降に継続して実施することとしている。 これに関連して,得られた研究成果を地域の関係者間で共有することを目的に計画していた対面での公開自主セミナーは開催することができなかった。しかし,情報共有の機会としては,いずれもオンラインにより研究会等を4回開催することができた。また,本研究推進のための研究推進会議もオンラインにより開催した。令和2年度に得られた調査研究による成果は,令和3年度以降の研究成果と関連付けて活用されるとともに,新たな調査研究に発展的に引き継ぐことができる状況を生み出している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度の各調査において収集したデータの詳細な分析を進め,学会での発表や論文への投稿をめざして作業を進める。また,それらの研究成果を自主セミナー等において発信・共有していく。ただし,COVID-19の感染状況をみながら,オンラインによる開催や論文等による共有・発信の方策を合わせて検討していく。 新たな調査として,令和3年度は,小・中学校に在籍する児童生徒及びその保護者,学校医,救急外来看護士等を対象とした調査を予定しており,調査実施に向けた倫理審査を既に受審したり,その準備を進めたりしている。また,教育や看護を専攻する学生が,子どもたちの健康管理に関連して将来に向けて学ぶべき内容を探るための調査についても,その実施に向けて準備を進める。COVID-19の感染状況により,関連機関等と可能な時期を調整しながら調査を実施していく予定である。 また,健康管理に関する情報の収集や関連する研究動向の把握については,国内外の多くの学会がオンラインによる開催としているため,それらの機会を積極的に活用して研究内容に反映させていく。
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