2020 Fiscal Year Annual Research Report
社会的実践を志向する学習領域「数理科学」の構築に関する総合的研究
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20H01739
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
西村 圭一 東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (30549358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 武志 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 教授 (60239895)
長尾 篤志 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (00353392)
椿 広計 統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 名誉教授 (30155436)
伏屋 広隆 青山学院大学, 社会情報学部, 教授 (00422395)
清水 宏幸 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (80562446)
清野 辰彦 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (00550740)
島田 功 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 教授 (30709671)
松島 充 香川大学, 教育学部, 准教授 (70804128)
青山 和裕 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (10400657)
松嵜 昭雄 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (10533292)
松原 憲治 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター基礎研究部, 総括研究官 (10549372)
上野 耕史 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (20390578)
鹿野 利春 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (20770168)
古家 正暢 帝京大学, 経済学部, 教授 (80827808)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 数理科学教育 / 社会的実践 / 意思決定 / 設計科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,未来社会を創っていくための資質・能力を育むという積極的な意思のもと,社会的実践を志向する学習領域「数理科学」の学校教育への実装化を課題に据え,児童生徒が一連の「社会的実践プロセス」において,数理科学の手法や方法を用いる様相を明らかにするとともに,教師のタスクデザイン力に着眼した教師教育について実証的に考究することを目的とするものである。 初年次である2020年度は,研究分担者に,大学等の研究者,指導主事や小・中・高等学校の教諭を加えた,総勢43名からなる研究組織で,理念班,カリキュラム班,タスク・授業デザイン班,教師教育班に分かれて研究を進めた。主な成果は,以下の四点である。第一に,STEM教育のdisciplinaryモデルとシュワブによるディシプリンの概念を参照して,学校教育における数理科学教育のカリキュラム構成モデルを検討し論文にまとめた。また,デューイ(1968)のプラグマティズムの考えを中心に,社会的実践を志向する学習領域「数理科学」の,学校教育に対する教育学的意義について検討を進めた。第二に,中学校技術科の「技術の見方・考え方」,高等学校情報科の「情報の科学的な見方・考え方」を拡張するという方針のもと,数理科学の手法・方法,見方・考え方に付随して働く社会科,技術科,情報科,理科等の各教科固有の見方・考え方を整理した。第三に,いわゆる文理が融合している社会情報学部における卒業研究の取り組みを共有し,本研究で開発する教材の方向性を確認した。また,小学校,中学校,高等学校の校種別のWGに分かれ,社会的実践プロセスを内在する教材の候補となる題材・素材を収集し,教材の構想を練った。第四に,社会的実践を志向する教材を開発し授業化する上での鍵となる見方・考え方を事例的に同定するために,題材・素材から教材を構想するプロセスに関するデータを収集した(映像記録を含む)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対面で全員が一堂に会することができず,対面とリモートのハイブリッド型で全体会を開催したため,それぞれの班の取り組みについて相互に検討することに関して,やや不十分な面はあったものの,班やWGごとにリモート会議を頻繁に開催することができ,当初の計画に基づいて,それぞれの分担について順調に検討を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果をもとに,班やWGごとにリモート会議を定期的に行いつつ,ハイブリッド型でも活発な意見交換ができるよう工夫を凝らした上で全体会を開催し,研究を進展させる。また,2022年9月に開催予定の日本科学教育学会年会「課題研究」に応募することをめざし,理念的検討,教材や授業デザイン,そのプロセスの分析を論文化する準備を進める。
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Research Products
(19 results)