2021 Fiscal Year Annual Research Report
市民の科学への参加・支援を加速化するオープンサイエンス・リテラシーの教師教育
Project/Area Number |
20H01744
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂本 美紀 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (90293729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 悦司 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (00324898)
伊藤 真之 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (40213087)
益川 弘如 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (50367661)
松河 秀哉 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 講師 (50379111)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オープンサイエンス / 教師教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)科学教師教育プログラムを開発するための基盤を確立した。 [指導理論開発]オープンサイエンスやシチズンサイエンスの教育利用およびエンゲージメントの理論を整理検討し,両者を包含する指導理論を構築した。同時に,市民としての大学生と小学生を対象に収集した行動と心理特性のデータから,その資質・能力・態度特性,ならびに彼らの科学参加を支える環境条件を解明した。上述の指導理論と照らし合わせつつ,市民の科学に対する関心・関与を持続的に発展させるための諸要因を体系的に整理した。[教育内容開発]既存のシチズンサイエンスプロジェクトの内容に加え,生物分野の専門的知識を活かし,スギ花粉米,ゲノム編集をトピックとする教育プログラムのコンテンツを開発した。[指導法開発]学習者自身のオープンサイエンスの活動を支援し,オープンサイエンス・リテラシーを体験的に向上させるための指導法を開発した。[評価法開発]先行研究が挙げた学習成果の指標を,狭義のオープンサイエンス・リテラシーと領域普遍の指標,短期的な目標と長期的な目標,等の観点から整理検討した。有力な指標を抽出した上で,各指標の評価方法を,関連領域での成果も踏まえて体系化した。 (2)スギ花粉米,ゲノム編集をトピックとする科学教師教育プログラムを開発した。 (3)教員を目指す大学生および現職の小学校教員を対象として,科学教師教育プログラムの実証実験に着手した。 (4)研究の中間的な成果を発表した。スギ花粉米,ゲノム編集をトピックとする教育プログラムのコンテンツ開発を中心として,International Journal of Science Education,ESERA e-Proceedings,日本科学教育学会研究会研究報告などの論文として公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度に計画していた研究内容がほぼ達成できたことが理由である。 オープンサイエンス・リテラシーの教師教育のための指導理論,教育内容,指導法,評価法の開発を進めて,科学教師教育プログラムを開発するための基盤を確立することができた。併せて,科学教師教育プログラムを開発するとともに,実証実験に着手することができた.このように,科学教師教育プログラムの開発のための基盤整備の確立,科学教師教育プログラムの開発と実証実験を実施できたことは,当初の研究が順調に進展していると判断する根拠である。さらに,これらの成果を国内外の論文として公表できたことも,研究の進捗状況がおおむね順調であることを示している
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Strategy for Future Research Activity |
科学教師教育プログラムの開発をさらに進める.研究代表者や研究分担者などの所属機関ならびに連携機関などにおいて実証実験を展開する。実証実験に関するデータを収集するとともに,それらのデータ分析によるプログラムの有効性や改善点の検証を行う。さらに,研究の総括と成果発表を進める。
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