2020 Fiscal Year Annual Research Report
ジオシステムの視点を導入した自然災害に関する科学教育の開発
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20H01749
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
川村 教一 兵庫県立大学, 地域資源マネジメント研究科, 教授 (80572768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 直弘 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (10294183)
藤岡 達也 滋賀大学, 教職大学院, 教授 (10311466)
小森 次郎 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 准教授 (10572422)
松本 一郎 島根大学, 学術研究院教育学系, 教授 (30335541)
森永 速男 兵庫県立大学, 減災復興政策研究科, 教授 (40210182)
田口 瑞穂 秋田大学, 教育文化学部, 講師 (40760880)
澤口 隆 東洋大学, 経済学部, 教授 (50318755)
岡田 大爾 広島国際大学, 医療栄養学部, 教授 (60413548)
瀧本 家康 宇都宮大学, 共同教育学部, 助教 (60823276)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ジオシステム / 科学教育 / 地学教育 / 地理教育 / 理科教育 / 自然災害 / 生徒 / 児童 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究テーマに関し包括的な研究として,まず,小・中学校の理科教育の学習内容において,自然災害の誘因と自然素因の視点が十分に踏まえられていないことを学習指導要領およびその解説を分析して明らかにした.また,大学生に対する防災教育について,高等学校における地学や地理の教育が防災意識の醸成に果たす役割を,大学生と高校生を対象とするアンケートによって考察した.さらに,全国の大学生を対象とした自然災害に関する認識についてのアンケート調査を行い,府県別の反応の特徴を考察した. 教育実践研究では,水害に関し,広島県南部の地質の違いから見た土砂災害発生地の特徴と防災教育の在り方を展望するとともに,指導者向け野外防災教育研修プログラムの開発を行った.それをもとに,地域密着型防災教育の実践と教育効果の検証を行った.また,令和元年東日本台風の被災域の例では,内水氾濫に関するハザードマップの不備,および住民自身による河川微地形の理解の必要性を指摘した.さらに,ウェブ地図(地理院地図)を用いた地域の河川地形の理解を深める教材,および地形分類図から水害の素因を見出させる教材を開発し,中学生・高校生を対象に実践した. 既存の教材分析に関しては,中学校学習指導要領に基づく理科第2学年の教科書を対象に,降水に関する言葉に着目した内容分析を行った.その結果,気象災害と関連が深い言葉である「降水量」「大雨」「雨量」がすべての教科書で使用されていたものの,主文で記載している教科書が一部に限られることを明らかにした.客観的で再現可能なデータに基づき,教科書における降水に関する内容とその扱われ方について議論する点を明確化した論文を公表した. その他,学会発表において自然災害の教育に関する課題の提示や,新しい指導法の実践報告を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスによる感染症拡大防止の観点から研究メンバーが所属する大学において出張禁止期間が設定されたので,一部の研究打合せ,教育実践とその分析が計画通り実施できなかったため.
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Strategy for Future Research Activity |
対面で実施予定であった研究打合せ,教育実践の一部は、オンライン形式による実施を検討した.それ以外については実施時期を約1年間延長して翌年度の計画に含めることにした.
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