2022 Fiscal Year Annual Research Report
Proposal of education model for social implementation based on analysis of career development effect after graduation by social implementation ability cultivated in science and technology education
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20H01751
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Research Institution | Kushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
大塚 友彦 釧路工業高等専門学校, その他, 校長 (80262278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊澤 悟 小山工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (00232223)
伊藤 通子 東京都市大学, その他部局等, 教授 (00537037)
藤原 康宣 一関工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (40290689)
久池井 茂 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 教授 (50300653)
鈴木 慎也 東京工業高等専門学校, 一般教育科, 准教授 (50803285)
永井 翠 東京工業高等専門学校, 電子工学科, 准教授 (60591154)
芦田 和毅 長野工業高等専門学校, 情報エレクトロニクス系, 准教授 (70377612)
青木 悠祐 沼津工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (70584259)
多羅尾 進 東京工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (80300515)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 社会実装教育 / 卒業生キャリア調査 / 職場ニーズ / テキストマイニング / 非認知能力 / キャリア教育 / インターンシップ |
Outline of Annual Research Achievements |
社会的な問題解決を通じた社会実装教育を掲げる高専への期待は大きくなっている。平成26年度に実施された高専卒業生キャリア調査(回答者数約3,300名)では、高専教育により身につけた汎用的能力(例:問題の本質をつかむ力、プレゼンテーション能力)が卒業後のキャリアに大きく寄与すること等が、実証的に明らかにされている。一方、急速なグローバル化や産業構造の変化により、AI・ロボット・IoT、ビックデータ等の新しい社会ニーズへの対応のため、現場で求められる知識やスキルは刻々と変化している。このため、高専卒業生の視点から継続的に高専教育を評価することには、教育内容と職場のニーズとのギャップを検証する上で意義あることと考えられる。本研究では、令和3年12月に実施した高専卒業生キャリア調査の自由記述について、テキストマイニングによる分析を行い、その全体像の可視化を試みた。 自由記述中には4455種類の語が含まれていた。自由記述中の頻出語(65回以上)を用いて共起ネットワーク分析を行い、より関連が強いと考えられる部分を線で区切った。その結果、自由記述の内容は、「社会に必要な専門知識や技術」、「英語教育」、「教養系科目」、「コミュニケーション能力などの非認知能力」「増やすべき機会」の5つの内容を含むことが想定された。ここでは「増やすべき機会」に着目して、より詳細な検討を行った。「増やす」「機会」という語が両方含まれる178文について、内容を分類した結果、キャリア教育への言及(61回)が最も多かった。この結果から、卒業生の多くは、インターンシップやOB・OGとの交流、企業を知る機会などのキャリア教育の必要性を感じていることが示唆された。また、図1では判読できなかった教養科目の内容については、特にビジネス文書作成や金融リテラシー等の経済・経営系の基礎修得等の機会も望んでいることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高専卒業生キャリア調査の結果のうち、自由記述欄「今後,高専卒業生がさらに社会に貢献するため,授業・カリキュラム・教員指導等で改善すべき点」に対する記述をテキストマイニングの手法により分析し、教育内容と職場のニーズとの一致した項目並びに存在するギャップを明らかにすることができた。当初の仮説を裏付けるデータを得ることができたことは、大きな成果と言える。 また、社会実装教育の効果検証のための資料調査や実証実験を行うこともできた。
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Strategy for Future Research Activity |
学生時代の学びを通じて得られた自己効力感(チームワークや課題発見・解決力等の汎用的な能力、社会性と情動に関するコンピテンシーなど)が卒業後に形成されるキャリア(所得、職位、本人満足度など)に与える影響を統計的手法により明らかにする。 また、社会実装教育の効果検証のための実証実験も引き続き実施する。
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