2020 Fiscal Year Annual Research Report
新たな段階に入った有限要素法基盤の精度保証付き数値計算の進展
Project/Area Number |
20H01820
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
小林 健太 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (60432902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 卓也 愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 教授 (00163832)
劉 雪峰 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (50571220)
高安 亮紀 筑波大学, システム情報系, 助教 (60707743)
渡部 善隆 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (90243972)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 精度保証付き数値計算 / 計算機援用証明 / 有限要素法 / 誤差評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
有限要素法においては、境界形状による制限や物理的な要請により、つぶれた形状の要素を用いる、異方的なメッシュを用いざるを得ないことが多い。また、メッシュ分割を効率化しようとすると異方的なメッシュとなることもある。そこで、異方的なメッシュ上での有限要素法の誤差解析について研究を行い、適合要素を用いる場合について従来より一般的な枠組みの下で誤差評価を確立した。また、非適合要素を用いる場合についても研究を進め、空間2次元および3次元の両方の場合について、Crouzeix-Raviart要素とRaviart-Thomas要素を用いる有限要素法について誤差評価を得ることが出来た。 流体の基礎方程式であるNavier-Stokes方程式に特別な外力項を課したKolmogorov問題に対し、解の存在検証において重要な役割を果たす無限次元空間の最大値ノルムをほぼ最適に評価する手法を提案するとともに、Kolmogorov問題の解の対称性破壊分岐点の存在検証に世界で初めて成功した。 流体の基礎方程式であるStokes方程式について、厳密な事前および事後誤差評価に成功した。空間3次元においては、通常の手法では計算量等の点から誤差評価を得るのが困難であったが、新たな検証スキームを導入したり、計算を効率化したりすることで誤差評価に成功した。空間3次元の非線形偏微分方程式への本格的な応用が成功したという点で意義が大きいと言える。 時間発展する偏微分方程式の解に対する精度保証付き数値計算理論の構築に着手し、近似解の近傍に真の解が時間局所存在することを数値的に検証する計算機援用証明手法を提案した。さらにその手法を用いて、非線形シュレディンガー方程式の大域的なダイナミクスの計算機援用証明を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスの感染拡大によって、国内の研究者との研究打ち合わせや海外の学会における情報収集等が予定通り進まなかったため、研究期間については延長を余儀なくされたが、最終的に研究実績自体は想定通りの水準に達しており、研究計画と照らし合わせてもおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究計画の通りに研究を推進していく。具体的には、これまでの成果を研究代表者および研究分担者で共有し、適宜、研究打ち合わせを行ったり、ワークショップを開催したりして連携をはかりながら研究を進めていく。
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Research Products
(21 results)