2020 Fiscal Year Annual Research Report
Indistinguishable photon generation by localized polarization in semiconductors using a local field effect
Project/Area Number |
20H01831
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
三森 康義 北里大学, 理学部, 教授 (70375153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤羽 浩一 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワークシステム研究所ネットワーク基盤研究室, 研究マネージャー (50359072)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 局在電子分極 |
Outline of Annual Research Achievements |
光子を利用する量子計算・量子情報通信では量子干渉を利用するため、見分けのつかない高い不可識別性をもつ単一光子が多数、必要である。現在、半導体による不可識別光子発生は個々の量子ドットや不純物中心からの発光光子の波長・波束を一致させるために、結晶成長後に煩雑な微細加工・高度な分光法などが必要である。このため、現状2光子の発生も困難を極めている。一方、実際の量子計算では実用上数万以上の不可識別光子が必要であり、より簡便で平易な方式で不可識別光子を多数発生する方法が求められている。本研究では不均一幅が非常に狭い束縛励起子を微小共振器内に設置し、単一電子分極内の光誘起電荷間のクーロン相互作用である局所電場効果で精密発光波長制御を行う新しい不可識別光子発生法を開発する。本年度はBeドープGaAs結晶の結晶成長とBe不純物に束縛している中性アクセプター励起子の共鳴線シフトの評価を、フォトンエコースペクトルの励起強度依存性を測定することで行った。束縛励起子の共鳴線は励起光強度とともに低エネルギー側にシフトしていく様子が観測された。共鳴線シフト量は最大35μeVであった。また、局所電場効果の反電場シフト量の理論値をポンプ‐プローブ法の寿命測定から評価した束縛励起子のダイポールモーメントと、Be束縛励起子のボーア半径の文献値を用いて計算したところ、25μeVとなり、測定結果と良い一致を示していた。この数値の一致は観測された束縛励起子の共鳴線シフトが局所電場効果であることを強く示唆しているが、現段階では共鳴線シフト量が非常に小さいため、他の光学効果の要因も慎重に検討する必要がある。また、AlGaAsとAlAsを共鳴波長の1/4の膜厚で交互に積層することで分布反射型ミラーの作製を行い、微小共振器作製に向けた技術的問題点の抽出とその解決を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
BeドープGaAs結晶中のBeに束縛している中性アクセプター励起子の共鳴線シフト量が非常に小さく、精密測定を行う必要があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
AlGaAsとAlAsを共鳴波長の1/4の膜厚で交互に積層することで分布反射型ミラーの作製を行い、その作製に関する技術的問題点を解決した。今後は、微小共振器の活性層に束縛励起子、量子ドットを配置し、単一光子発生を行う予定である。また、中性アクセプターだけでなく中性ドナー、イオン化ドナー励起子に関しても局所電場効果の反電場シフト量の測定を行う予定である。
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Research Products
(8 results)