2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H01904
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
諏訪 雄大 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (40610811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樫山 和己 東北大学, 理学研究科, 准教授 (10785744)
井岡 邦仁 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (80402759)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 連星 / 超新星 / ガンマ線バースト |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、大質量星やコンパクト天体の連星系に関する観測的情報が飛躍的に増している。本研究では、近年の連星の知見を活かし、超新星爆発およびガンマ線バーストの爆発機構に迫ることを目標としている。当該年度は主に以下の成果を得た。 1. 大質量星の爆発に関する研究において、爆発物の一部が降り戻るフォールバック効果の定量的評価は重要なテーマの一つである。このフォールバックによって、爆発物に含まれる重元素量が変化し超新星の光度曲線に大きな影響を与えることが知られている。我々は、大質量星の近接連星による効果で外層を剥ぎ取られた超新星爆発について、長時間流体シミュレーションを行い、フォールバック効果の定量的な評価を行った。また、このフォールバックを考慮した元素合成計算や可視光の光度曲線計算も行った。 2. 大質量星の爆発により中性子星が形成される際、爆発物の一部が降り戻るフォールバック効果によって、中性子星に加熱が起こることが知られている。我々は、先述したフォールバック効果の時間発展を解析することで、フォールバックによる中性子星の加熱効果を詳細に調べた。その結果、X線帯域の光度が高くなることが分かり、中性子星への降着に伴う熱エネルギーの放出量が増加することが示唆された。また、連星へのフォールバック降着の時間発展についても、広い時間領域をカバーする物理モデルを構築し、その時間変化を解析した。このモデルにより、降着物質が中性子星に到達するまでの時間や、降着量の時間変化などを詳細に調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでのところ、近接連星系によって強い質量損失を経験した超新星爆発へのフォールバック降着の定量的計算についての論文などを出版した。後続論文も順調に準備が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、連星中における大質量星爆発の直接シミュレーションおよび、連星白色矮星合体で形成する大質量白色矮星の重力崩壊シミュレーションを行い、連星進化に伴う爆発現象の包括的理解を目指した研究を進める。
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Research Products
(36 results)