2020 Fiscal Year Annual Research Report
質量標準トレーサビリティ体系のための超高精度・広範囲なシリコン球体計測
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20H02040
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
道畑 正岐 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (70588855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 哲 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30283724)
門屋 祥太郎 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (60880234)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Whispering gallery mode / 近接場 / SNOM / 有限要素解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はWhispering gallery mode共振を用いて球体の直径を推定する技術の確立である。光共振を用いて球体直径を高精度に測定するためには、共振波長の測定に加え、その波長のモードを正確に推定する必要がある。これまでの研究で、推定手法は提案してきたもののその推定精度を正確に評価することは困難であった。そこで、Whispering gallery mode共振によって形成される電場の分布を直接計測することでモードの状態の測定を目指している。電場分布の測定には走査型の近接場プローブ(SNOMプローブ)を用いることを予定している。従来の近接場の測定とは異なり、共振器の電場を測定する場合、プローブによるインタラクションが共振状態を変化させてしまうため注意が必要である。そのため、まずは最適なプローブ形状について検討を行い、その後、そのプローブを試作の上、電場分布の測定を実施予定であった。本年は、有限要素解析によってプローブについて検討を行った。その結果、従来のようなナノスケールの先端先鋭なプローブは相互作用は小さいものの、その分計測可能な信号のSNが低すぎることが明らかとなった。一方で、形成される電場の波長に一致するサイズの先端径をもつSNOMプローブを用いることで計測精度は確保したまま、SNを向上させることができるとことが示唆された。また、興味深いことに、これらのプローブで測定する原理自体が異なり、計測中のモードシフトの観点からは共振波長に一致したサイズのプローブを用いることでより安定した計測が可能であることが示唆された。この結果をもとに以後、実際に計測行うことを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来の計画では、SNOMプローブを設計し、試作の上、電場の計測を実施する予定であったが、社会情勢による制約で実験実施が困難であったため、SNOMプローブの設計に留まっている。今度は、これを用いた実際の計測を目指している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は実際にプローブを試作し、電場分布の計測を行う。0.5μm程度の先端径を持つプローブの作成を目指すため、ガラスプローブの溶融延伸による方法とエッチングによる方法を比較し、より良いプローブ作成方法を検討する。その度、プローブを用いて球体にWhispering gallery modeを励起し、球体の表面をプローブ走査することで電場の分布を計測する。
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Research Products
(7 results)