2021 Fiscal Year Annual Research Report
質量標準トレーサビリティ体系のための超高精度・広範囲なシリコン球体計測
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20H02040
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
道畑 正岐 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (70588855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 哲 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30283724)
門屋 祥太郎 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (60880234)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | WGM共振 / 球体 / 屈折率 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は、直径94 mmから94 μmのシリコン単結晶球体の直径を10のマイナス6乗の不確かさで計測する技術の確立であり、その実現のため、本年度は球体屈折率の自律的補正法による屈折率測定手法の確立を目指し研究を行なった。 屈折率について、波長分散と屈折率絶対値に分けて考え、その補正についての検討を行った。波長分散はWGMによって共振する光周波数の間隔が一定になることを利用し、その間隔のばらつきがすなわち屈折率の分散によるものであると仮定した上で、補正をおこの合う方法を提案した。また、絶対値については、離れた2つの角度モード番号(すなわち異なる波長)での屈折率の差を利用することで、保定する手法を提案した。 結果として、波長分散は10の-6乗程度のオーダまで補正が可能であることが示唆された。また、屈折率の絶対値については、共振波長の測定精度が0.01 pm程度まで保証できるのであれば、直径数nmレベルの正確さで補正できることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
球の屈折率補正方法について提案し、性能について、解析的にまた実験的に補正が可能であることが明らかであった。一方で、今後更なる高精度化を図るためには、共振波長をより高い精度で測定する必要があることも示され、今後の計測システム開発に向けて大きな指針を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでは概ね200 μm程度の球体に対して、モード推定の正確さ評価や屈折率補正法についての検討を行うなど、計測の正確さに対するアプローチを行ってきた。今後は、この手法をさまざまなサイズの球体への対応を行うため、定在波型のWGMやビート信号を用いた新しい計測手法について、新たに手法を提案し、その手法の原理検証を行なっていく。
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Research Products
(7 results)