2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of wet etching technology for nitride semiconductors using strong oxidizing agents and application to transistors
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20H02175
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 威友 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 准教授 (50343009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 実人 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30635199)
橋詰 保 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 特任教授 (80149898)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 窒化物半導体 / ウェットエッチング / 電気化学反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)硫酸ラジカル(SO4*-)を使った窒化物半導体混晶(AlGaN)のエッチング 前年度に得られた知見を基に、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)のウェットエッチングに成功した。UVC照射強度とともに硫酸ラジカル(SO4*-)の生成レートは上昇し、エッチングレートが増大した。また、反応初期では、エッチング深さはUVC照射時間に比例して増大したが、時間の経過とともにエッチング量が飽和し自己停止した。自己停止深さは、試料表面に形成する陰極パッドの材質により大きく変化することを明らかにした。陰極パッドの役割は、UVC照射によって生成した電子-正孔対のうち、エッチング反応に利用されない電子を効率的に反応面から遠ざけることにあり、試料表面との接触抵抗が低い材料を陰極パッドに用いた場合に、エッチングレートが増大することを示した。さらに、開発したウェットエッチング法を、AlGaN/GaNヘテロ構造を利用したヘテロ構造電界効果トランジスタ(HFET)のゲートリセス加工に適用した。AlGaN層内でエッチングを自己停止することにより、同一チップ上に作製したトランジスタの閾値電圧のばらつきを抑えることに成功した。 (2)溶液とp-GaN界面の電気化学的評価 電気化学容量-電圧(ECV)法、電気化学インピーダンス分光(EIS)法により、水溶液/p-GaN界面の電気的特性評価を行った。本測定により得られたp-GaNのアクセプタ密度は、大気中で測定したショットキーダイオードの結果と矛盾なく、設計通りの値を示した。また、溶液中で正の電圧(陽極電圧)を印加すると、p-GaN表面に酸化膜が形成され内蔵電位や周波数応答特性の違いとして検出されることを明らかにした。p-GaNの電気化学エッチング量は、時間や通過電荷量で制御可能であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1つ目の課題にあげていた「窒化物半導体混晶(AlGaN)のエッチング」については目標の9割以を達成し、トランジスタのゲートリセス加工まで応用実証することができた。その成果は、査読付き学術誌論文への公表、国際会議招待講演および国内会議で発表した。また「p-GaNの電気化学的評価」については、p-GaNの基本特性が溶液中でも評価可能であることを明らかにし、エッチング制御につながる知見が得られ、現在、国際会議に投稿中である。これらより、本課題は概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は以下の2つの課題に取り組む。 (1)電気化学反応を利用したAlGaN/GaN, AlGaInN/AlGaN HEFTの閾値電圧制御 光電気化学エッチング手法を2種類の窒化物半導体ヘテロ構造(AlGaN/GaN, AlGaInN/AlGaN)に適用する。材料の違いが溶液/半導体界面の接触電位差に与える影響を明らかにしながら、エッチング反応を精密に制御する。さらに、開発したエッチング手法を同材料で構成されるヘテロ構造電界効果トランジスタ(HFET)のゲートリセス加工に適用し、プラズマエッチング加工プロセスと比較しながら、本開発手法の優位性を明らかにする。ノーマリオフ型トランジスタ(閾値電圧が0V以上)の実現を目指す。 (2)電気化学エッチングによるn-GaNおよびp-GaN表面のダメージ層除去 n-GaNおよびp-GaN表面に残るプロセスダメージ(ドライエッチング後表面、イオン注入面etc)に対して、電気化学エッチングを適用し、ダメージ層の除去に取り組む。前年度までに開発した溶液中での電気化学評価と組み合わせることにより、エッチング中に表面ダメージが除去されていく様子を観察し、適切なタイミングでエッチングを停止する手法の開発を目指す。
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Research Products
(9 results)